今回泊まったホテル、アミーゴがよい仕事をしてくれた。APTジャパンの特別割引ができるページがあることを発見してくれ、本来1泊あたり約4万円だったところが、半額以下になったのである。
シャワーのお湯が出るとか、水圧がどうだとか、外の騒音がヤバイとか、そんな些細なことを気にせずに、ポーカー会場がある最高の環境で泊まれるのだ。
アミーゴと知り合ったのは6年前くらい前だろうか。持ち前のセンスの良さと勉強熱心な性格のおかげで、メキメキと腕を上げ、師匠と仰いでいた京都の古参プレーヤーのMr.チャン（F氏）をさくっと追い抜き、今では関西の強いプレーヤー周辺には認知されるまでになっている。
そんなアミーゴは隣のベッドでグースカと寝ている。
最近の僕は、NHKの朝ドラを見るために、非常に規則正しい生活を送っている。放送時間の8時までには朝食を済ませ、出勤する準備を行うことが日課になっているのだ。海外でもそのリズムは崩れない。
アミーゴを起こさぬよう、そっと静かに、硬くて甘くない青いバナナを頬張り、身支度を整える。ブログ執筆と会社の仕事をするためにホテルの中庭に出かけた。テーブルもあり、雰囲気が良くて昨日から目をつけていた場所があるのだ。
目当ての場所には先客がいた。クラケンさんだ。
クラケンさんはポーカープレーヤーの憧れの一つを体現している人だ。10年以上の専業プレーヤーで生きており、寒くなったら暖かい国に行ってみたり、今回のようにふらっとAPTに来てみたり、雲のように自由な感じだ。今日のように居心地が良いところに必ずいる。
専業には専業の大変さがあるのだろうが、それを微塵と感じさせない雰囲気のナイスガイで、僕が前のめりになって話こんでしまう数少ない人である。クラケンさんもFujiyaさんと同様、最後にお会いできたのがコロナ前だからそこそこ時がたっている。
「韓国ってこんなにも物価が上がっているんですか！！？」「いや、ここだけだよ～。多少は上がっているけど、まだまだ普通だよ」「僕、この間、カンボジアに行ってきたんですけど、すごく快適でしたよ。どうです？」「けっこうポーカーは辛いらしいんよー。環境がいいところはみんな行きたがるんだろうね」「オーノさんがインフルエンサーになった件について！」「びっくりだよね！」
気が付いたら約2時間も喋っており、クラケンさんのお連れの方が昼ご飯を誘いに来たので、一旦解散。APTは2日間だけ、どんなところか見に来ただけみたいだ。気候のよい季節と国を狙えばまたどこかで会えるだろう。
結局、僕は仕事もブログも書かないまま部屋に戻り、アミーゴとご飯を食べに行った。
本日のポーカーは、5カードオマハハイロー。通称、ビッグオーと呼ばれる種目から開始だ。このAPTに来る前に、オンラインで各種目を練習してきたのだが、実践するのは初めてである。ビッグオーに関しては、スターティングハンドや攻略すら見ていないので、ぶっつけ本番。
レベル3から遅れて参加。参加人数が少なく、アミーゴとクラケンさんと同卓。参加して数ハンドで悲劇が起こる。
ワイ：A234K
アミーゴ：ATQ59
ヌケサク：JJ864
ボード：A2K
アミーゴのレイズに僕がコール、ヌケサクもコール。
ボード：A2KJ
ターンで、アミーゴがストレート完成でレイズ。僕も3ペア、フラドロ、ほぼナッツロー、ストレートガットでコール。ヌケサクがなぜかJセットだけでオールイン。アミーゴ、ストレートを降りるわけなくコール。僕もアウツ祭りなのでコール。
カードを開いて「あ、もしかして、俺が一番ヤバイ！？」まぬけ面したヌケサクが両手を上げる。マルチのハイがアミーゴでローが僕の美しい形だ。コンビ打ちと思われたらどうしよう。
ボード：A2KJJ
ヌケサク、クワッズ完成。僕とアミーゴの心の中の猫ミームが「はァっ！？」と目をまんまるくし、ヌケサクが体中で「やったーやったーやったー（Happy Happy Happy）」と大喜びする。
お昼ごはんを食べながら「今日からポーカー本番ですッ！」とInstagramに載せたのが、フラグになってしまったのか。僕とアミーゴ、テーブルからはじき出されてしまい、本番はものの10分で終了してしまった。クラケンさんにも「きっついの食らったねぇ」と慰められる。
あまりのくやしさにリエントリー。本来出るつもりだったリミットトリプルドローミックス（2-7,A-5,High）の予算をこちらに回す。
次は変なバッドビートを食らうことはなかったのだが、一度のミスプレイで大量にチップをなくし、最後は自然死に近い形で終了。エクトプラズムが口元から、にょろんと出て行った。
次はNLターボビッグオー。先ほどのビッグオーをノーリミットにしたもの。また、アミーゴと一緒だ。またもや、ノーリミットだ。嫌な予感がする。同卓のアミーゴ、さっそく引かれて負けて、空高く舞い上がっていった。
89TJKという強いハンドが入る。ボードは788なのに、ロー狙いのA256Qの人に下の4を引かれて下のストレートに負け、僕も天空へフライハイ。見事にすり抜けて負ける。
次にノーリミットシングルドロー2-7。これも初めてのポーカーだ。いわゆる、ドラクエのポーカーのように5枚配られて、カードをチェンジして、最弱カードを作るゲームだ（23457が最弱）。
レジストまで粘れるものの、ダブルアップすることなく、自然死に近い形で死ぬ。たぶん、ルールと戦略を覚えたばかりだから、すごいタイトになっていたんだと思う。いやー、めっちゃ面白かった。ビッグオーよりも好きかも。
隣りで香港の有名プレーヤーのスパローがカードをチェンジしないブラフなどをかましていて、いろいろ勉強になった。プロはなんでも上手だ。
最後にNLホールデムのスーパーハイパーターボ（勝った人にボタンが来るver）という変則ルール。昨日と同じように5分でレベルがあがる超運ゲー。87人中25位で終了。スチールは2回失敗して終わった。なんか、いつも通りな感じだ。これにて僕のNLホールデム全行程は終了（二日目にして）。あとは、オマハとミックスのみをプレイするつもりである。
一日に4つもトーナメント遊べるなんて、さすがAPTである（以下ry）。本日も滑りまくって、お金がヤバイぜ。そろそろ前回のカンボジアで獲得した賞金が底をつきそうである。
この日は、アミーゴがトリプルドローが走っていた。お腹がすきすぎて、アミーゴを待てず、一人でうどんを食べにいく。
辛い物が苦手なのに、この赤さ。思ったよりも辛くないなと思うのは最初だけで、辛さがどんどん積み重なっていく。最終的には汗だくのデブが出来上がりだ。辛いブヒ・・・。
三日目。
結局アミーゴは昨日インマネは出来なかったらしい。毎日「俺たちってこんなに弱かった・・・？」と顔を見合わせている。まあ、少なくとも僕は弱いゾ。
硬かったバナナにようやく甘味と柔らかさが表れてきた。流れが来ている。
さて今日も今日とて、オマハだ。順調にレジスト後まで粘れるものの、最後は自然死。夕方からさらにもう一つのオマハに参加。どこからともなく大阪のMさんがふらっとやってきて「ほんま、オマハ好きやっちゃなー」と褒められる（？）。
AAやKKでレイズした時、変な絡みかたをせずに運よくダブルアップなどしていく。今日はよいかも。
レベル8 500/1000 自分の点数は55,500点（3万点スタート）
現在70人中37人が生き残っており、9位からインマネが確定することになった。
レベル10 1,000 2,000 ワイ86,000点。残り25人。
レベル12 2,000 4,000 オレ97,000点 残り16人。
レベル15 4,000 8,000 ワタシ68,000点 残り13人。
レベル17 8,000 16,000 ボク38,000点 残り10人。
バブルターーーーイム。ワイのチップが減ってるぅーーー。というか2bbやん。アベレージが15万点くらいだが、全員苦しい状況だ。ボタンが回ってくる段階で飛びそうな人もチラホラ。
明らかに強いハンドしか参加せず、当たらなかったら1ミリもレイズしてこない、分かりやすい白髪の欧米人のお婆ちゃん「そろそろ、私の順番が来たようだね」と映画のような謎にカッコいいセリフをつぶやいて、オールイン。
周りを見渡すと、5bb持っているお婆ちゃんよりチップが少ない僕とさらに3bbくらいのプレーヤーがいるから、別に順番が来ていない（隣りのテーブルにもショートが2人いる）。お迎えが来ていないけど、自ら死地へと出向いてくれるのは非常に助かる！
隣りのテーブルからも1.5bbしかない日本の方もやってきて両手をすり合わせて祈っている。
お婆ちゃんに受けて立つのは、中国ランキング16位、生涯獲得賞金3億円のガチのプロのおじさん。プロの本気を見せつけてやってくれ！
お婆ちゃん、ランナーランナーフラッシュを引いて、ダブルアップ。
過去、ショートの人が8人連続ダブルアップして、のんびりしていた僕がバブルで飛んだ苦い記憶が蘇る。次のハンド、隣りのテーブルで誰かオールインしてダブルアップ。うわー。やばい。あと3ハンドでBBで強制的に入れなきゃいけない。
しかし、次のハンドで、僕と一緒にお婆ちゃんの敗退への祈りを捧げていた1.5bbの日本人の方が飛んでいなくなった。2ハンド差で明日は我が身だった・・・。
ようやくインマネできた。ほっと胸をなでおろしていると、アミーゴもインマネ確定したと挨拶に来る。二人ともボウズは回避できた。海外ボウズは財布にも心にも優しくないのだ。
次のハンドでBBがやってくる。5JQKでオールインする。BBがノールックコールでQQ46。何も当たらず、9位で終了。
ホテル会場のお店は早々と閉まるところが多く、唯一あいている海鮮料理屋で遅めの晩御飯をアミーゴと取ることにした。
この後の最終日もオマハとNL8ゲームを行うが、粘れるもののインマネできず、4日間で10個以上のトーナメントに参加して1ミニインマネの結果。APTってやっぱりいいな、と毎日感じさせてくれる大会だった。
明日以降からメインイベントが始まるから、どんどん人が集まってくるのであろう。思ったよりも日本人は多くなく、ほどよい感じで海外ポーカー感もあったのも良かった。
結局、友人が一緒にいてもホテルから一歩も外にでることなく、観光もすることなく終わってしまったのだが、案外、知り合いにも多く会えて満足感がある旅であった。
最終日にアミーゴとチェジュ名物の5層黒豚を食べた。
やっぱり韓国は一人で来る国ではなく、誰かと一緒に来た方が楽しい場所だ。韓国に来るときは、京都や大阪の誰かを誘いたい。海外で腕試ししたい人も多いことだろう。その際はぜひ、声をかけてくれればと思う。
それでは、また、アジアのどこかの大会でお会いできれば！
