ポーカー日記「WSOP ラスベガス編」 その7(おわり)

WSOP

残す大きなイベントは「ラッキーセブンホールデム」という参加費が777ドルのトーナメントだけだ。

f:id:moryama:20150702193228j:plain

(※リオの会場近くの喫煙所から少し歩いたところ。ここでよく暖をとっていた)

同室のOさんは「ちょっくらヨセミテ見に行ってくる!」と突然、ラスベガスから旅立たれた。この間もマカオに一緒にいた時も「成都いってくる!」と急にいなくなった。フットワークが軽いというか、行動力が有りすぎるというか、とにかく自由だ。

で、肝心のラッキーセブンだが、途中までは上手く打ちまわせていたのに、またQQがKKにやられた。二日連続同じ負け方をする。結局、WSOPの冠のつくイベントはどれもデイ1を通過することができなかった。情けない。

じわじわメインイベント前になってきたのか、知っている日本人の方々を見かけるようになる。デイリーで2位になって2万ドル獲得したことを伝えると皆口をそろえて「これでメイン出れますね!」と賛辞を送ってもらえるのだが、やはり今回は予定通り帰ることにした。

まず、体調管理が全然できておらず、未だに時差ボケなのだ。毎日が変な感じに眠い。あと、やっぱり1万ドルは高い。サイドイベントの一つもインマネできないようじゃ、実力不足も甚だしい。そんなこんなであれこれ理由をつけているが、ようは怖気づいてしまったのだ。

サイドイベントのデイ3に備えていた日が余ってしまった。観光でもするか、キャッシュでも打つか、ホテルで仕事でもするか。

少しだけキャッシュを打つが、なんだかラスベガスに着いた時のように運がない。QQが連続で負けだしてから、やはりフラッシュが引けていない(捨てたカード含めても)。なんだかピークは過ぎてしまったようだ。勝てもしないので、部屋にこもって仕事やブログを書いて、ぼんやりと過ごした。

f:id:moryama:20150707221556j:plain

(※悪名高いポーカーキッチンのホットドック。一度食べればいい味)

そしてついに最終日。

飛行機の時間は夜の11時だから、チェックアウトしてから暇な時間がある。荷物をクロークに預け、そういえばリオのホテル内を全体をぐるりと回ったことないなあと思って散歩した。そこで衝撃の光景を目にする。

なんと、バーガーキングがリオの中に併設されているではないか!!?

ハンバーガーといえば、昔からバーガーキングだ。中学生の時に食べていたワッパーの味が忘れられず海外に行くと必ず食べていたし、ミナミに出来たときももちろんワッパー、京都に引っ越してからも三条でワッパーだ。ぼくは・・・ワッパーだ!!!(?)

誰もワッパーツイートなどしていなかったから、完全に見逃していた。ここにこんなのがあるならば、ディナーブレイクの時に美味しくないわりに高いポーカーキッチンの飯など食べなくてもよかったのだ。知っていれば滞在中は4回は食べていただろう。悔しいのう、悔しいのうー。

f:id:moryama:20150705125738j:plain

(※この怪しいガチムチショーが行われる場所の近くにBKはある。目印に使うとよい)

めそめそとポーカーのキャッシュテーブル前に座っていると、日本ポーカー界を代表するプロのTさんに出会い、今日帰国することを伝え別れの挨拶をする。入れ替わりで、韓国人のジョーとも出会う。彼と最初に会ったのはマニラで、次がセブ、最後がマカオだ。マカオで「お前とはよく同じテーブルになるなww」ということで、仲良くなった。ジョーもアメリカに数年住んだ経験があるらしく、英語が達者で意思疎通もばっちりだ。

ジョー「今からメインのサテライトに出てくるよ。もし飛んだら、マカオで約束していたお茶でもしようぜ!どうせ、ここでキャッシュ打っているんだろう」
もりゃ「うむ!頑張ってくるのだよ」

そして、2時間後ジョーが半笑いになりながら「さくっと飛んでしまったよwwwww俺の金ぇwwww」と帰ってきたので、僕もキャッシュを切り上げた。ちなみに利益は1ドルだった・・・。

だらだらと二人でビールを飲みながら1時間程度よもやま話をして、適当なところでジョーはまたポーカーをプレイするために戻って行った。

なんだかポーカーをする気分でもなくなってしまったので、やったことのないスポーツベットをする。

スポーツベットとは文字通り、スポーツに賭ける遊びだ。巨大な掲示板があって、競馬、野球、ドッグレースにゴルフなどありとあらゆるスポーツが賭けの対象になっている。これ、日本でも導入すればもっとスポーツファンが増えそうな気がする。

賭けるのはもちろん女子サッカーだ。なんか周りでえらい盛り上がっているみたいなんよ。実はスポーツ全般に興味が全くなくて、今日の試合がどこと対戦するか、何回戦目なのかもさっぱり知らなかったのだが、とりあえずカウンターで「ジャパンくれい」とオッズも何も確認せずに買う。応援買いってやつだ。しかも、どうせ応援するなら気持ち込めるため、負けたら嫌だなっと思う金額、300ドルを賭けてみた。(為替の影響によりひと月のお小遣い分をちょいオーバー)

f:id:moryama:20150705155045j:plain

(※「愛してるぜぇジャパン(CV野沢雅子)」とピンポンのオババ風に呟く)

ホットチョコレートを飲みながら携帯をいじっていたら、ウォーとスポーツコーナーである僕の周辺が拍手と共に湧き上がる。ハっとなってテレビを見ると試合はもう始まっていて日本がゴールを決められていた。それもアメリカに。なんと、決勝戦で対戦相手はアメリカだったのだ。きょろきょろ周りを見渡すと完全に僕がアウェーだ。ここアメリカやで。

300ドルも賭けてるんだ、しっかりしてくれよー、頑張ってくれよサワ選手(←唯一知っている名前)と心の中でえっさほいさと日の丸をふる。会場で小さくなりながらも血走った眼で画面を凝視するが、みるみる点を取られていくジャパン。もしかしたら、運気をなくした僕が賭けてしまったから負けているのか!?

日本が得点を入れたとき、アメリカ人から「OH..」とため息がもれる。同時に何故か中国人のおばさんが「キエエーー」てどこから声出しているのか分からない喜びの声を一人で上げているのが、なんとなくいたたまれない気持ちになった。同朋と見ればよかった・・・。

国破れて財布寂し、ホットチョコレートも飲み干し、ぼんやりとスロットマシンにお金を投げ捨てたり、お腹いっぱいだけどワッパーを腹に詰め込んだりしているうちに日が暮れてきた。

タクシーに乗って空港までと告げると大きな荷物を持った白人も歩いてくる。空港までなら相乗りどうだい?と聞いてくるので快く了承する。タクシーに乗り込むなり「これで金額もチョップチョップだなw」と言うので、一瞬でポーカープレーヤーだと分かる。

僕が「ポーカーの調子はどうだったんだい?」と聞くと「さっき、メインイベント飛んできたところさwwwwwまさかレベル3www数時間だぜ!w4回目の出場だが、これほど早かったことはないwwww」とジョーを彷彿とさせるような、もうどうにでもなーれ感が半端ない。まあ1万ドルだからなあ。お前はどうだったんだと聞かれて、メインは出ずにデイリーで2位で2万ドル勝ったよ、ちなみ初ラスベガスだ!と言うと「まるでカジノのインタビューCMみたいだなww」とキャッキャはしゃぐ。「しかも今、円安だろ!よかったなぁ!」(詳しいなこいつ)とにかくテンションが高い。

「俺も3カードポーカーやバカラをやるぞ、この間64ドルが6000ドルに化けたんだ!バカラはいいぞ」と運ちゃんも会話に加わってくる。するとテンションの高い男は「それはただのギャンブルで長い目で見ると絶対負けるから続けない方がいいぞwwすべてのギャンブルはハウスが勝つようになっているんだよwwポーカーはギャンブルじゃなくて、プレーヤー同士の知恵比べだから計算が出来る強い奴が勝ち残るゲームなんだ。ポーカーやれポーカーwwww」となんか煽り気味に喋り倒す。

そんなこんなであっという間に空港に着き、半分のタクシー代を支払い、大韓航空へ。ありがたいことに飛行機がガラッガラ。3席を一人で占領できた。これぞナッツリターン!

f:id:moryama:20150630162732j:plain

(※使いそこねた写真。本文とは何も関係ない)

さて。

しばらくは、甲子園のシート狙いにいったり、JPPTの予選とやらに参加したり、日本で遊ぶことになると思う。海外用の軍資金が出来たので秋くらいにはどこかに行きたいものだ。

以上、もりゃ~まのラスベガスポーカー日記でした。ご精読ありがとうございました。僕達の冒険はこれからだ!