マニラメガスタック 2023年2月 (その3)

そういえば、わざわざショッピングモールの近くのホテルを取ったのに結局、ホテルとカジノの往復しかしていないことに四日目に気が付く。なんのために、ここに宿をとったのか、すっかり忘れていた。

今日はメインイベントの日だ。メインはゆっくりと上がっていくので、わざわざレベル1から参加しなくても大丈夫だ。というか、僕のような下手の横好き野郎は、逆に早く参加しすぎると変なハンドにやられる恐れがある。時間はたっぷりある。目安としては、午後3時くらいに行ければよい。

そういうことで、さっそく、近所のモールを探索してみようと思う。

今回の旅では、珍しく行きたいお店が一つある。『凪』というラーメン屋である。実はメル友(年に1,2回DMをやりとりする、自分より年上のおっちゃん)がこのラーメン屋で働いているのだ(今回のフィリピンのお店にはいないけど)。

実際、メル友氏には一度しかお会いできたことがないのだがブログを更新すると高頻度で誤字脱字を指摘してくれ「〇〇の表現が良かった」と詳しい感想をくれる物書きにはありがたい存在である。(そして、しばらく会ってない期間が長いため、僕の中では、もはや概念上の人になりかけている)

さて、実際の『凪』なのだが、平日の昼間だというのに、けっこう混んでいた。

麵の硬さなど細かい日本のこだわりを完全に再現した内容で、味も日本で食べる美味しいラーメンとまったく違いがない。外国人向けにアレンジなどまったくされていないのだ。日本のクオリティの美味しさである。(写真が下手であまり美味しそうに撮れなかった・・・)

海外ラーメンはここまで来たのかと感慨深げにスープを飲み干す。

子どもの頃(1990年代)、親の仕事の都合でアメリカに住んでいたことを思い出す。あの頃はロサンゼルスやシカゴの大都会に行っても、たいした日本食はなかった(ちゃんとしているのは、せいぜい寿司屋)。ラーメンらしきものはあったものの、中華の延長線上だったり、極端に大味だったりして「ラーメン」と呼べる代物ではないものがほとんどだった。

幼少期に植え付けられた海外での厳しい食生活(冷凍たこ焼きで感動)からか、切望と熱望は渇望へと変わり、ラーメンをたらふく食べるという願いはいつしか憧憬へと進化していったのは言うまでもないであろう。

「僕の子どもの頃にもこんな美味しいラーメンさえあれば・・・こんなことには・・・」と、ぼやくと『メキシコ国境沿いにある3万人しか住んでいないアリゾナの町には、今でもラーメン屋はできないだろう』と頭の中のキートン山田が間髪いれずツッコミを入れてくる。ぐぬぬ。

『凪』はおいしかったです(小並感)。いろんな国にあるようです。みんなも行ってみてね。

モールには特に買いたいものもなく、海外の本屋をブラブラ冷やかし、モールを一回りぐるっと周った後、向かいの海を見に行く。

あまり磯の香りがしない。たしか磯の香りってプランクトンから発生しているんだっけ?漁船はなく(まあ昼だからだろうけど)タンカーばかりが海上を走っている。

ぼんやりと防波堤の上に座って足をブラブラさせながら海を見た後、カジノへと向かった。

メインイベントは、なんやかんやレベル2から参加できた。

隣を見ると、どこかで見たことがある人がいる。たしか、東京で有名な方だ。積極的にイベントを行ったり、youtubeなどにも出演されている気がする。以前、仕事でお会いしたことがある、ローランドさんに雰囲気が似ている。とりあえずツイッターをフォローすると、有名な方「ん?」と携帯を見る。『あ、通知がいった』挨拶するべきか否か、3秒ほど迷い、結果、自分には喋る能力がないことを思い出し、黙々とハンドを捨てる日常に戻ったのであった。

本日も昨日に引き続いて、ハンドがあまり良くない。参加率も低いので、たまに参加してもすぐ降りられる。イメージを利用して、攻撃を仕掛けたときだけ、なぜか本当のハンドが相手に入っていて、返り討ちにあう。

じわじわと減っていき、レベル7あたりにはチップが半分を切ってしまった。

そこから、2ハンドほどミスプレイをしてしまい、レベル9にはオールインするだけの人になっていた。

そして、なんとか僕の「フロップストレート」VS「2ペア」とよい絡みがあって、ダブルアップするものの、次のTTがQQとかち合ってしまい、あっけなくレベル10くらいで終了した。

ああ、それにしても、今日の反省はかなり上手だと分かっている相手にブラフしたこと。メインイベントともなると、かなり上手なプレーヤーが同卓することが多いから、気を付けなければいけない。

弱い人から取るチップも強い人から取るのも、同じ価値なのだ。無理せず、取りやすいところから取ればよいのだ。つい、上手くプレイしてやろうというフィッシュ魂に火が付き、燃え上ってしまう癖をなんとかしなければならぬ。

次の試合は、夜の11時半からなので、有名な噴水ショーと晩御飯を食べていくことにした。

何度かオカダマニラに来ているが、ポーカーに熱中しすぎて、この噴水ショーを見るのを毎回失念しているのだ。わりと大きく噴水が飛び上がるのに、ちょっと驚いた。

土曜日のオカダマニラは家族連れなどの団体で溢れていて、安いステーキ屋で一人で食事しているのは自分だけだった。意識しては負けだと思い、一心不乱にステーキにナイフを入れ、短時間で食事を済ます。

ちなみにビールは99ペソだから、普通に安い。大阪の第4ビル並みの値段だ。やけ酒。

11時半のハイパーターボの大会は、日本人の方も多く、フィリピン人の弱い人もたくさんだった。

10分でレベルが上がるので、とにかく参加ハンドを増やして当てに行く。ハイパーターボに慣れていない人が多く、さくさくとチップが増えていく。

レベル11で事件が起こる。

3wayオールインとなり、勝負が決まった後、ディーラーがチップ量を間違えて渡してしまう。誰がどれくらい持っていたか分からなくなり、このチップ量を再度把握するために、20分が費やされてしまった。

レベルが2つあがり、アベレージだった僕のチップ量はアベ以下となった。

レベル13で5Jで参加して、フロップ5ヒットでオールインしたら、6TのTヒットの人に負けた。

11人からの賞金獲得で、19位だった。あと少しー。

ポーカー試合の最終日。

メインのDAY2。メインが行われている最中のサイドトーナメントは、弱いプレーヤーが多いという我が持論に基づき、レベル1から参加予定。明日帰るので、残りのトーナメントは2つ。

ミニメインイベントという大きいんだが、小さいんだかというトーナメントにレベル1から参加すると、先日も見たことがある日本人の人が隣に。わりと気さくな方で、話をすると海外でもインマネしているし、AJPCも優勝されているしっかりとしたプレーヤーさんだった。

めちゃくちゃややこしいプレーヤーもおらず、ハンドも悪くない。というか、レベル3までにAK2回、JJ AQ、99はセット!とむしろ良い。メインやインマネ直前ではどうして手が悪くなるのだろうか・・・。

リバーでフラッシュ完成させたり、フロップでフルハウス、KKでチップリーダーからダブルアップなど、レベル12の頃には17万点まで。アベレージの3倍はある。今日はツイている。

レベル17 3000 6000 残り40人で賞金獲得。現在、21万点。ショート相手にQQで攻めるもK7でターンでフラッシュをひかれて、16万点に減る。

いくつかハンドを参加して、引けず、12BBでA3でスチールを狙うが、AKにコールされ、何事もなく終了。ここでも33位/172人で、23位から賞金獲得で、あと一歩届かず。

試合は7時半に終わる。8時から次のトーナメントがあるが、時間を潰さなくてよかったが、逆に休憩時間がなくて、しんどい。前回も思ったが、わりと体力的なところもネックになってきている。ポーカーは若い人が強いというのは、こういう体力も大いに関係しているのかと思う。

最後のフリーズアウトは、リンプだらけで皆遊びで参加している感じだ。レイズ額も思い付きの人も多く、ハンドさえあればさくっと勝てそうな感じ。初心者が多い印象だ。だからなのか、まるでメイントーナメントのように長考する人が多数。進行が亀のように遅い。どうしたものか(どうしようもない)。

同卓している席で、日本人の綺麗な女性がフィリピン人たちに質問攻めにあっていた。分からない質問に関して「ごめんなさい、ちょっと分からないかも」と両手を頭にあて、言葉分からずとも可愛いしぐさで乗り切っていて、さすが綺麗な東京っぽい女の人はコミュニケーションが上手だな、と感心して見ていた。

後でツイッターのインマネ情報で知ったのだが、この方、インスタ42万・YouTube21万人という、超絶な数字を持っている来栖うさこさん(https://twitter.com/usakosaan)というアイドルだった。おまけにポーカーも上手いときたもんだ(本大会でも3インマネされてた)。僕との共通点は「呼吸をしている」ぐらいしか見つからない。

最後はT7でスチールを試みるも、66にコールされ、Tが当たるが、6でセットを作られて敗退。スチール失敗で負けが続く。17位/40人。6位からインマネで、まあここはちょっと遠いけど、あと10人くらいといえば10人という所だった。

これにて、全試合終了。8試合1インマネ。惜しかったのもいくつか。

今回のメガスタックはとても試合の組み方が良かった。昼と夜に必ず何かをやっていたので、5泊6日でこれだけ参加できるのは、APTのトーナメント並みだ。参加費も窒息するほどの金額でもない。

最近は日本のトーナメントも面白くなっている。楽しいポーカーをするために、渡り鳥のように海外をフラフラしているのだが、日本国内のトナメもこれから積極的にでようと考えている。次はJOPTとか。海外で温めた肩のまま、国内も頑張ろうと思う!

そして帰国の日がやってきた。短かったマニラ生活も本日で終了である。

8時30分にマニラを出発する飛行機に乗る予定だ。

朝、目を覚ますと7時10分だった。

おしまい。