ACOP2017 後半

ベネチアン

ずっと工事していたポーカー会場であるシティ・オブ・ドリームス(COD)の壁が完成しており、夜中は綺麗にライトアップされていた。

マカオは常にどこかしら工事していて、訪れるたびに新しいものを発見する。パリジャンもスタジオシティも前はなかった。今、WYNNがCODの裏にニョキニョキと生えていて、ゴンドラみたいなものが宙を浮いていた。アイキャッチ画像に使った、ベネチアンは水を抜いて何かしていた。どこまでマカオは大きくなるのだろうか。中国パワーはまだまだ健在である。

初日を負けてしまったので、5,000HKのday2がなくなった。夕方に出場する試合まで時間がある。近所でもうろうろしようかなぁ、と思っていたのだが、ひたすらメールやチャットでの仕事の連絡が押し寄せてくる。このマカオ大会のために取引先にまとめて連絡していた案件の返信が、ぐるっとまとまって返ってきたのだ・・・。

せっせと仕事をしていたらあっという間に夕方になってしまった。ホテルにいる方が普段よりもさくさく仕事ができた気がする。これがカンヅメってやつか!

中国の焼きそば

(海外の中華で必ず食べる、平べったい焼きそば)

さて・・・今日の試合は、ある意味今回の旅のメインイベント。15,000HKトーナメントだ。

ACOPのメイントーナメントは参加費が100,000HKと日本円にすると145万円もするので、とてもじゃないけど、庶民の僕には手が届かない。この期間は10,000HK代のトーナメントもゴロゴロと開催されており、わりとどのタイミングで来てもちょうどいい(?)トナメに参加できるのだ。

初日の5,000HKは早めに参加したら、初心者の方のミスプレイで大きく稼げた。ちょっと前までは「序盤はよくわからないハンドで負けるから遅れて参加する」ということを実践していたのだが、今日も昨日みたいなラッキーが起こるのではないかと欲望を丸出しにして、ウキウキしながら開始早々に席についたのであった。

そして、席に座って愕然とする。

まず左が、WSOPメインで29位、獲得賞金1億円を超えている中国12位のモジャモジャ赤メガネのDong Guo。そのまた左が同じく賞金1億超えで、インマネ176回、香港HKPPK会長のSparrow。しょっちゅう記事を見る二人だ。

Dong Guo  http://pokerdb.thehendonmob.com/player.php?a=r&n=334867

Sparrow   http://pokerdb.thehendonmob.com/player.php?a=r&n=167390

思わず「お金返してッ!!!!」と心のなかで叫んでしまう。

おかね返して

(ちなみに今回のトーナメントのほとんどは、京都のアミューズメントカジノバーやジャパンオープン経由のスポンサーシップで参加しています。関係者の方々、ありがとうございました。)

この二人、安いトーナメントで出会えたらむしろラッキーな感じだけど・・・15,000HKは、日本円にすると、21万8千円ですぞ。そりゃ、どこかで一緒になることはあるだろうけど、最初のテーブルで二人もガチプロ勢は、ゆるふわ系アミューズメントプレイヤーおじさんの僕には荷が重すぎる。40分回しのストラクチャーのレベル1からやで?終了時刻は夜中の3時15分やで?今、何時やと思ってんの!昼の4時やぞ!時計一周もする間、こんな危険な奴らと一緒に入れるかい、わしは部屋に戻るぞ(死亡フラグ)!

と、まあ実際は部屋に戻らず、静かにうなだれて、配られたカードをひたすら捨てる作業を繰り返していると、トーナメントディレクターがやってくる。

「ええと、君と君、新しいテーブルが開くから席移動な」

と行って、Dong とSparrowにシートカードを配るではないか!

まさかの2大巨頭がいなくなる。今日はもしかしたら、めっちゃ運の良い日かもしれないぞ(思わずヘブン状態になる)。もしかしたら、もしかするかも!

と、凄腕プレーヤーがいなくなったものの、5人くらいはしっかり強くて、席移動してくる普通や弱き人を吸収しどんどん肥え太っていく。僕はといえば、あんまり噛み合わず、大きくチップを得ることが出来ず、レベル6になる頃には、12BB程度までチップを減らしていた・・・(ハンドもプレミア系ポケットはなし。滑ったAKが一回あったくらいさ)。

これくらいのショートになった時、基本は強めのハンドを待って、オールインでダブルアップを狙う打ち方をしていたのだが、この間ネット上で見た日本人ポーカープロ余語葦織さんの解説動画「イオリ塾」で目から鱗の戦い方を仕入れていた。

■イオリ塾 https://www.youtube.com/playlist?list=PLlsDXkUEo_gKn7DcQOUUWAuUpHbMZgVsP

曰く、「BBの際はショートでもコールしてフロップを見に行き、一つでも当たればオールイン。当たらなければ素直にフォールド。」という方法だ(たしか)。何度かアミューズメントで試してみたが、強いポケット以外は大体降りてくれるので、けっこう勝率が高い。我慢して強いハンドが来るまで待って自然死やA2で飛び込むよりもぜんぜんいいかもしれないのだ。

さっそく似たような状況になったので、普段なら絶対に参加しないハンド「3Qo」ミドルポジションからの2.5BBレイズにBBからコール。ヘッズアップ!

フロップ「AQQ」

AAQ

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

余語さんは1つ当てたらオールインって言っていたが、2つの場合は・・・ええい、いつも通りの欲まみれプレイだ!

相手のカードはポケットでもAでも良いので、なんでもいいから打ってください!AAのセットやAQならもう諦めて帰ります(ホテルまでだけど)。祈りを込めて、優しくチェック。相手もチェック。

ターン「AQQJ」

AQQJ

え、やな感じ・・・。

僕が一生懸命ブラフしているように見せるため、持てるチップの半分(5BBくらい)をテーブルに置く。すると相手はリレイズ!

「勝ったな」と脳内の冬月先生が語りかけてきた。なんとなくだが、この時、直感で相手のハンドがAだと分かった。

指を組んで、優雅にオールイン要求に答える。相手は、思ったとおり「A」だった。

勝ったな

何事もなく、無事ダブルアップ完了。余語さんありがとうございます。

右隣に座っているヨーロッパ系の兄ちゃんが僕の3のカードを手に取り、ヘラヘラしながら、「なんだこれ」って僕に向かってカードを振る。左隣が「ベリーラッキー。うーん。ベリィーラッキー」と褒めてるのかなんなのかよくわからん感じで、同じフレーズを口にしていた。

ここで流れが変わったのか、その後、ハンドが絡みだす。78で入ったらオープンエンドフラッシュドロー(そしてストレート引く)、AQやJJなども手元に現る。相変わらずセットは昨日から一度も出来ないが、ぼちぼちチップが増えていく。

夜も段々と闇が深くなり、ディナーブレイクが終わったぐらいのことである。

休憩を終えて席に戻ると、人が増えている。どこかのテーブルから移動してきたのであろう。しかし、この人、どこかで見たことがある。あれ、スターズプロのワッペンを貼っている・・・。え・・・。

@nanonokoことRandy Lewじゃないかwwwwwwwwwwwwwwww

動揺して思わず草が生えてしまったぜ・・・。

ポーカー関連のギネス保持者、オンラインのキャッシュだけで24歳の時に1億円達成、格闘ゲーム関連も強いなど、詳しくはwikipediaを見たほうが早いくらい様々なエピソードを持つ人物だ。とにかくググってみてくれ。動画もたくさんある。

3年前にも運悪く同卓したことがあるが、手も足も出なかった。よほどのハンドが来ない限り、避けて通ろう・・・。

しかし、Randyはチップが20BB程度だからなのか、えらい静かである。フロップが開いても、相手に打たれたら素直にダウンしている。やはりショートになったら、伝説的プロでも静かになるのだろうか。

なんて思っていたら、RandyはA5sでオールインしてきた!JJが受けて立ち、Randyはランナーランナーフラッシュを完成させ、復活。ううむ・・・持っておる。

そんなこんなで気がつけばレベル10。深夜の12時近くになり、かなり体力も消耗して、疲れてきた。そんな弱った身体にムチを打つかのように、ストラクチャーが変わる。レベル10からは40分ではなく、1時間回しに変更である。ひえー。

ハンドを絞っていたら、段々とチップが減ってきて、また15BB程度になる。

AKsが手元に入る。先にレイズが入ったので、オールイン。AKは当たらなければただのAハイなので、KKのように変なリスクは取りに行かない。スチールできるならそれでOKだ。

さらに僕の後ろの人が40BBくらいのオールイン。僕とのヘッズアップ目的っぽい打ち方だ。オリジナルレイザーが降りて、本日初めてのプリフロオールイン勝負だ。

相手はJJだ。こちらはAKs。勝率は45%程度。

フロップ「AK4」

AK

テーブルからは「おおー」と声が上がる。よし、勝率が90%まで上がった!

ターン「AK4J」

テーブルはさらに「おおおおーーーー」と盛り上がる。僕だけが盛り下がる。

リバー「AK4J2」

AK負ける

AもKも落ちず、セットに負けた。こうして、僕のメイントーナメントが終了した。

「おつかれさん」といった感じで、同じテーブルの人が軽く手を上げたり、目を合わせてくれる。半日以上、同じテーブルを囲んでいると、勝っても負けても妙な親近感というか戦友感みたいなものが湧くことがポーカーでは往々にしてある。僕はテーブルをコンコンと二回叩き、荷物をまとめて席をたった。

はあ、プリフロオールイン勝負にまったく勝てない・・・。

・・・

さて次の日・・・最終日は実は書くことないくらいグダグダだった。ページを分けようと思ったが、内容もチルってる状態を書いてただけだったので、結果だけご報告。

最初に参加した3,000HKはセット祭り(2時間以内に5回!)になるのだが、二度もフロップストレートに負けて(25とかのハンドに負けた)、レベル4で敗退。

次の11,000HKは、QQが39に負けて取り乱してしまい、ハンドレンジが広くなって、クワッドなどに負け、これまた序盤で敗退。

時間を置いて、冷静になって参加した最後の2,500HKターボのトーナメントでは、残り50人程度の所で、ボタンのスチールっぽいオールインにBBの僕がA9でコールしたら、AKが出てきて、何事もなく終了。

前日と前々日に比べると格段にカードがよくなっていたのだが、かみ合わせが酷く、いわゆる半ヅキ状態で、変に感情が乱されることが多かった。つくづくポーカーは自分自身を制することが出来なければ、足元をすくわれることを思い知った。

結局、今回のマカオも坊主で終了。

1年前に参加した時も何も結果を出せずだった。方向が悪いのか、相性が悪いのか。今まではたまたま運良くインマネ出来ていただけなのか。

アジアの近場ならば、外出許可が降りているので、また数ヶ月後にどこかに遠征に行こうと思う。韓国あたりが、気が楽だなぁ。

それでは、また!