APT フィリピン2022年夏 1

お久しぶりです。もりゃ〜まです。

コロナ禍の中、まったくポーカーをしていなかったため、すっかり過去の人となりました。

アミューズメントカジノバーに足を運んでも知らない人が多い。なんというか、若い(自分が年をとってきただけもあるが)。やはりというか、予想通りというか、想像通りというか、YouTubeが影響を与えているようである。

右を見ても左を見ても「世界のヨコサワ見て、ポーカーはじめました!」である。

先日、飲み屋で隣に座った人と喋っていて、ポーカーが趣味だと答えると「やったことないけど、ヨコサワ見てます!あんな世界なんですか!?」「まーあんな世界ッスよ。会ったことないけどヨコサワ君、ガチのプロも認めるくらい本当に強いみたいですよ。ハハ」と、ちょいと知った感じの、玄人風を匂わせながら、とりあえずヨコサワ話題に便乗する日が多い。

ということで、はじめましての方も多いと思うので簡単に自己紹介をば。

もりゃ~まは、十数年前に、まだ大阪でアミューズメントポーカー屋が3件くらいしかなかった頃から始めたプレイヤー(歴だけは無駄に長い)。海外は2014年のAPPTが最初。海外インマネは20回。参加トーナメント数は110回試合で、インマネ率が18%。日本人賞金ランキングが2022年9月現在、150位~200位の間(昔は70位くらいだったのだが、どんどん追い抜かれているぜ!)勝ち負けでいうと、ポーカーの収支はトントンで、旅費や食費で足が出ている。

自分でいうのもなんなんだが、THE中堅プレイヤーって感じ。目立つこともなく、強くもないけど初心者でもない的な。漫画の最初のほうで、敵キャラに出てきそうだ(男塾とか)。

さて、渡航制限も徐々に解除され始めたので、仕事をいろいろ調整し、今回はAPT(アジアンポーカーツアー)に参加することにした。過去のブログ記事みると、ここ数年、このAPTばかり参加している。

会社の部下に

ワイ「1週間ほど、在宅します・・・。午後は、つながりにくいかも・・・」

部下「どうしてですか?」

ワイ「じ、実はフィリピンに行っておりまして・・・へへへ」

部下達「!!?」

ワイ「午前はLINE電話いけるから!ね!午後は、チャットワークで連絡します・・・時差は1時間です(キリ)」

部下「わ、わかりました」

ワイ「頼むやで!それじゃ・・・今から行ってきます(ソソクサ)」

月曜日の出勤後、夕方に早退するムーヴを決め、関空へ!

京都からバスに揺られること90分、関空に到着。2年ぶりに来る関空なんだが、人がまったくおらず、ガラガラ。そういえば、来る途中のバスもあまりにも人がいなくて、運ちゃんも「人いないから、好きなところ座っていいよ」と言うくらいだ。僕を含め、4組ほどしか乗客はいなかった。

関空は関空で飲食のスペースがほぼ閉まっており、晩御飯は仕方なく、関空前のなか卯で済ませる。

飛行機もガラガラだ。前後左右、人がおらず、3列シートを自由に使えてしまう。

自分が普段見ている、TwitterやFacebookだと、けっこうな数の日本人が海外ポーカーに出かけていて、コロナ終了の雰囲気を醸し出していたのだが、こりゃあ完全なフィルターバブルの罠にかかっていたみたいだ。

本当に今のタイミングで海外に出てきてよかったのだろうか・・・と、一瞬、ばつの悪い感覚が体を駆け巡るのだが、満席でコロナにかかるリスク高くなるよりも全然いいじゃん!、と無事に認知的不協和を解消。

BAKI(宮本武蔵編)を読んでいるうちに、あっという間にフィリピンのマニラに到着。時刻は24時半。空港で海外用のSIMカードを購入。この時間でも開いていてよかった。SIMのセットアップって自分でやるにはけっこう面倒で、いつも販売員さんにやってもらっている。今回も無事に通信を確保。96ギガで2000ペソだった。

今回泊まる場所は「One Parm Tree Villa」と呼ばれるアパートメントだ。ベルモントホテルの隣くらいにあり、ポーカー会場であるリゾートワールドまで歩いて10分くらいの距離にある。

部屋はワンルームだけど、ぼちぼち広くて、使い勝手がよさそうだ。ユーチューバーの皆さんが気にする水圧は・・・まあ、可もなく不可もなしと言ったところ。熱いお湯がちゃんとでるので個人的にはOK。湯舟はないけど、海外にいるときはシャワーしかしないので、逆にこちらのほうが気が楽だ。

荷物をしまうなどしていていると気が付けば、深夜2時(日本時間3時)。近いと言っても、いろいろ含めると移動時間が8時間くらいかかっていた。

とりあえず、明日に備えて体力回復だ!

・・・次の日・・・

ドライヤーがものすごい音を立てながら死んだ。

朝、シャワーを浴びて髪を乾かそうとドライヤーを起動させると「ぐあああああ」とドリル系DIYみたいな音を立て、バチィと黄色い実(電気)が弾けたのである。出会って5秒で逝った。

ピカチュウの100万ボルトは、きっとこれよりもエグいんだろうな・・・謎の感想と共に、焦げくさいドライヤーをそっと元の位置に戻したのであった。

濡れた髪のまま、フロント(ガードマン)にドライヤーが壊れたから交換を頼む。「OK、部屋に届けておくよ!」とにこやかな返事をもらう。フィリピンの外はまだまだ熱く、自分の髪の毛に「極度乾燥(しなさい)」と念じていると、カジノ会場までたどり着く頃には髪もすっかり自然乾燥していた。

カジノをうろうろ歩いてみるが、ポーカーが行われていない・・・。

スタッフらしき人に聞いてみると、向かい側のビルだと伝えられる。カジノエリアが拡張したのか、元々あったけど知らなかったのか、なんにせよフィリピンは3年ぶりくらいなので、すっかり浦島太郎だ。

気を取り直して長い通路を歩いて向かい側へ。アジアンポーカーツアーと書かれた、のぼりが見えてきた。

会場に到着。カジノ特有の匂い。高級な場に相応しくないTシャツで、目がやけにぎらついた国籍も年齢もバラバラな男たち。あちらこちらでささやかれるバッドビート自慢。自然と気分が高揚してくる。

会場を見渡すと日本人がチラホラ見えるが、想像していたよりも多くない。この間のAPPTの方がTwitterで見た感じ多そうだ。知っている人は一人もいない。APTの方が安くてストラクチャーがよいからお勧めなのだが、よくよく考えたらこの間のAPPTはお盆休みだったから人が多かったのかな。

さてさて、久々のポーカーだ!

まず最初に参加するのは、イベントNo.13 ノーリミットホールデム(1Day)。1万点持ちの30分回し。毎回、メインイベントに最初に参加し、感覚を取り戻す頃に試合終了しているので、今回はいつもより1日早く来て、腕慣らしを行う予定。

席に座る。知っていそうなプロはいない。後ろの席にイギリスの生涯賞金3億円超えのSamad Razavi(通称サム)がいるんだが、同じ席じゃなくてよかった。強い人と戦える喜びもあるのだが、できれば勝ちのほうが優先順位が高い。どのみち、インマネするころには対戦することになるので序盤はアマチュアに囲まれていたい。

序盤は順調。ショートのブラフオールインをキャッチして、2人飛ばした(KJo>89oとA8o>TJo)。レベル3には18000点。気が大きくなって、参加率を上げて、ポケット(88)でタフコールして、きちんと負け、レベル4には13000点。さっそくミスプレイ。

それにしても1度もAKもAQを見ない。そろそろ何か来ないかなぁと願っていると、ようやくQQが手に入る。

100-200 アンダーザガンからコールが入ったので、ミドルポジションから僕が800にレイズ。するとボタンが3000とリレイズ。相手のチップの総量は9000くらい。僕がコールしてヘッズアップ。

相手から2000のベット。どうしよう。相手は後ろに4000点残している。こちらがAKかAQあたりと読んで、弱気ながら降ろしに来たのか。ええい、はじめてのプレミアムハンド、おりたくなーい。オールイン!

すると、相手は満面の笑みを浮かべオールインコールし、AAをそっとテーブルに置く。

ターンでAが相手に刺さる。うわー負け確。2000をコールしてから、ここで降りればよかったの!?

あんなにたくさんあったチップがあっという間に4000点まで減ってしまった。切ない。

そして、まさかのここでテーブル移動。復讐するチャンスもなく、別のテーブルで一から人生をやり直すことに。

レベル5の終わり際、チップも3000点になりそうな時、JJがやってきて、無事にダブルアップ(JJ>AJ)。といえ、まだまだ20bb以下、どこかでもう一度ダブルアップせねば・・・。

レベル7の途中まで1時間程度、一度も参加せず、ハンドをじーっと待つ。前回のJJから、初めてAが手元に来た。A4。現在4000点程度、200-400だから、10bbだ。スチールするか・・・オールイン!

「コールです~」と無慈悲にもボタンからAKが出てきて、あっさりAKの2ペアを完成させられた。退場。スチール成功率0%。

試合に負けて席を立ってからの数秒間は魂がどこかにいくよね。

誰にも声を掛けられるわけなく、行く当てもなく、突然はしごを外されたこの感覚。多くの人は「実は〇〇のハンドに〇〇でコーられて負けたンすよ」と友人知人に負けエピソードを話すことで自律神経を正常化させるのだが、生憎と会場に友人も知人もいない。

ちいかわのように目に涙を浮かばせながら、機械式クラップに走る。中年男性はギャンブルに慰めてもらうしかないのだ。

クラップス、まさかの8連敗という記録を叩き出す。5,6,8,9と4つを抑えて毎回賭けるのだが、リアルにどれ一つ当たらず。偶数の順番で7が出る。隣の中国人は発狂し台を叩き、向かいのフィリピン人も奇声をあげていた。ごめんなさい、僕が来たからです・・・。小生、バカラは10連続負けることが日常なぐらいギャンブル運は低いのであります(^^)/。

ギャンブルに負けて席を立ってからの数秒間は魂がどこかにいくものである。

この時間と金を無駄にした感覚。こんなことなら、英語の勉強すればよかったとなぜか急に向上心が湧いてくる。このままの気分に乗って自己研磨に励められればよいのだが、実はこの後にサテライト(予選)に出ようと思っている。

わりとサテライトの通過率は高くて、過去、様々なサテを通過している。ポーカーはプレイ時間が長ければ長いほど実力差が出るものだが、サテライトのように時間もチップも少ないゲームは運の要素が高くて僕のような弱小プレーヤーでも勝てる要素が多いのだ。

ギャンブル運はないのだが、ポーカー運はまあまあ持ち合わせている。何が違うか説明はできないが。

チャンピオンシップのサテライトに出場。5000点スタートの15分という超タイトな試合。

なんどかアップダウンはあったものの、これといった特筆すべきハンドや勝負もなく。じわじわと時間に削られ、最後はA6でスチール失敗(AQにコールされる)して終わった。

本日トータル5時間くらいプレイしてAA、AK、AQ、KKはゼロ。QQは一回ありAAにぶち当たり。JJが一回来てセットできた。ううん、ハンドはいつもより悪め。

フラッシュとストレートが一回づつできたので、めちゃくちゃかみ合わせが悪いわけではなかったのが救い。ハンド悪いより当たらないほうがきついから、通してみると、良くもなく悪くもなかった感じ。

この2回の試合で気が付いたのだが・・・単純に3ベッドできなくなっている。あと、ブラフができないのがじんわり効いている。なんか、みんな普通にコールしているから、変なハンドで打ち切ることができぬ。リハビリが必要だ。

帰りはホテル内のレストランを見て回るが、なんとなく高いイメージがあって、なかなか入れず、結局、昔いったことのある、近所のフィリピンレストランに行くことにした。

ゴーヤーチャンプルーとチキン。チキンは5ピースきた。ゴーヤーチャンプルーは当たり前だけど、ゴーヤーチャンプルーの味がした。超しんどかったけど、太目の中年男性の意地と根性ですべてを完食。


食べ過ぎて、ホテルにたどり着くなり、倒れて眠ってしまった。

~つづく~