WPT台湾 2022年11月 その2

実は昨日、休憩の時に見つけたのだが、会場近くのビルにフードコートがあった。フードコートは往々にして写真などが完備されており、観光客に優しい仕様となっている。

またそのビルの後ろには小さな店が点々と続いていた。今、切実にパジャマの代わりとなるTシャツが欲しい。この際「I Love TAIWAN」と書かれたものでよいのだ。激安だとなおさら良い。

ポーカーの試合は昼から行われることが多い。午前中に仕事、惰眠をむさぼる、観光を行う、ぼんやりと過ごす・・・などなど選択肢が非常に多い。今日は会場近くを散策しようと思う。

裏路地をうろうろ歩く。ようやく服を売っている店を見つけたのだが、襟付きシャツしか売っていない。女性ものはわりかし多く見かけるのだが、男性用は圧倒的に数が少ない。残念ながらパジャマに相応しい服は見つからなかった。

散策していると気が付くのだが、台湾はいたるところに公園がある。

小さな公園が点在している。シムシティの街計画で住民の満足度をあげるために、一定の間隔でミニ公園が設置されているが、それに近いものを何か感じる。

わりと手入れが行き届いていて雰囲気も良い。運動をしているおじさんや懸垂兄ちゃん、そして、土曜日だからか、小さな子供を連れたお父さんもいる。木漏れ日の中、ベンチに座って台湾の秋の風を感じ、ぼんやりと目を細めながら公園の営みを眺める。

試合開始の時間も迫ってきたので、次は食事だ。昨日見つけておいたフードコートへ足を運ぶ。

チャーハンと牡蠣入りの卵と餅を焼いたあんかけオムレツのようなものを頼む。分かりやすく美味しい。チャーハンは万民の心を癒す食べ物だ。

腹ごしらえを済ませ、さあ、メインイベントだ!

三ハンド目にAQがやってくる。昨日の運の良さをそのまま引き継いでいるのかもしれない。テーブルは強そうな人が2人であとは僕と同じレクリェーションプレーヤーっぽい感じで、ほっと胸をなでおろす。

レベル2で33のセットが刺さり、チップが増える。3万点スタートなので、現段階で48,800点になった。序盤から調子が良い。チップを持つとハンドに余裕ができるので、ブラフもちょいちょい入れ始める。レベル3には55800点まで増える。

ブラフキャッチがけっこう上手くいき、レベル5には73,000点。オープンエンドフラッシュドローでポッドを膨らませて過ぎて、滑って54000点まで戻るが、セットが2回刺さったり、プリフロップオールインをAKで受けたら、嘘のように仕事してくれたり、なんやかんや、レベル8になる頃には、108,000点まで増えていた。

さて、今回のDAY1Cの参加者は425人。明日には53人が進めるらしい。現在生き残っているのは、290人とまだまだ多い。とはいえ、今日のところバッドビートやガチ絡みがない。順調だ。久々にメインを通過できるかもしれない。そんな予感と期待でソワソワする。

たしか、日本人の方で通過した人は20万点くらい持っていたはずだ。あと10万点。そして、この段階で10万点持っているのは、かなり余裕をもってチップを増やしていけるはず。

レベル10 1000/2000 anti 2000。残り159人で、現在、112,500点。40分ごとにレベルが上がり、2時間ごとに10分ほどの休憩が入る。13時からはじめて、約7時間が経過した。

ここで、前回も感じていた僕の課題に直面することになる。

疲れてきたのだ。

サイドイベントを二つこなして15時間くらいは頑張ることはできるのだが、メインイベントとなると序盤から集中しているからか、体力の消耗が激しい。

GTOだのポーカー戦術戦略なんかより、まず僕が必要なのは、物理的な走り込みだ。高校球児のように、まずは体力作りから始めなければいけないのだ。

年始の掲げる今年の目標と同じくらいハードルが高いのだが、いつか、きっと、達成、した・・・。

そんなフラフラであくびを嚙み殺しているところ、僕んJJが相手のQQに嚙み合ってしまう。そして次にTTがAAにぶつかってしまい、あっという間に4万点までチップを減らしてしまった。ああ、集中力が落ちてきている。

レベル12はAKで6万点まで戻すが、AKで3万点まで減らしてしまう、AKに振り回されられる。

そして、レベル13にBBポジションで、9bbのチップ量。明らかにハンドが強そうな参加率の引く人がアンダーザガンからレイズ入ってきたのだが、A8を降りることができずオールイン。やはり相手はAQをもっており、さくっとフロップでQを当てられて終了。

ちょうど100位くらい。賞金までは近からず遠からず。これといったバッドビートをくらったわけでもないし、その逆もなく、負けているハンドで負けたので、やはり実力不足なんだなぁと実感する。

次の日のフリーズアウトバウンティは、結果からいうと、レジスト終了前に飛ぶ。レベル5まで初日と同じようにハンドがまったく入らず。一瞬入るタイミングがあったものの続かず、またハンドが渋くなって、チップが増えぬまま、自然死。

早々と負けてしまった。

台湾に来たので、せっかくだから近所の夜市に出かけることにした。

寧夏夜市という繁華街の中山から少し西に行ったところにある、ローカルな夜市だ。南北に小さな出店が連なっていて、南のほうは未就学児向けのゲームがたくさんあった。

射的ゲームを見つめて棒立ちになったまま鼻水を母親に吹いてもらっている子、真剣なまなざしでパチンコ(あの棒ではじくタイプ)台にかじりつく子、輪投げがいっさい成功していない子など、子どもながら静かな熱狂が渦巻く空間がそこにはあった。

海外のポーカーが何が楽しいかというと、この子どもたちと同じ「本気度」が高いからだ。真面目にアミューズメントでポーカーを行う人が多いのも知っているが、目の前に賞金、それも100万や1000万など大金があると、多くの人は本気で勝負に挑みに来るのだ。

そんな熱量の熱い子ども達は見ていて飽きない風景だったのだが、長居すると僕のような風貌の男はすぐに通報されるのがオチなので「グッドラック、子ども諸君」と心の中でつぶやき、早々に出店のほうに足を向ける。

お子様たちとやっていることはそう変わらんなぁ、買った焼き鳥のようなものを頬張りながら、ぶらぶらと散策をし、観光を満喫した本日も終了。

最終日の試合もさんざんな結果で終わる。3万点持ちの20分回しの大会は、1枚フラッシュなどでやられまくり、レベル10で飛ぶ。

最後に参加したトーナメントは、11万点で持ち時間10秒の10分回しという、企画会議で「これってスゴイ面白い案じゃないスか!?」と内輪で盛り上がって、それが適当に実現してしまったかのような大会だ。

座って3ハンド目にAAがやってくる。僕の属性というか、いつものパターンなのだが、安いトーナメントになればなるほどハンドが良くなる特殊能力を持ち合わせている。サテライトの通貨率がまあまあ高いので、WSOPでひたすらサテライトを狙って換金することも本気で考えたほどだ。

そして、ちょうど女性が目の前に座って、慣れない手つきで「コール」とチップを目の前に置いた。この女性、胸元を大きく見せた綺麗目な服装に、若くて美人の顔立ち、チップやカードを持つ手が初心者まる出し。つまり、彼氏の付き添いで来ただけの人に違いない。

レベル1、開始3分目のAAでオールイン。僕は100bbのチップを目の前に差し出す。

「ヘイヘイヘイヘーーーイ」と隣の若い兄ちゃんが驚いた顔をして、僕の顔を見る。そして女性の方も釣られてオールイン。女性はKQで何事もなく僕に負け、隣の兄ちゃんが「ヘーーーイ!」と声を上げる。わりと賑やかだ。さくっとダブルアップ達成。

東京で有名な日本人の方などもKK > JJで飛ばすなどして、順調にチップを増やすのだが、あと一歩足りなく、12位で終了。8位から入賞だったのだが、あと4人というところで終わってしまった。

台湾でのポーカーのスケジュールが全て終了した。

今回の目的の一つであった「フラッグ」を獲得するタスクをクリアできなかった・・・。

世界的なポーカーランキングサイト「Hendonmob」というサイトがあり、そこに「フラッグハンターランキング」というランキングがある。

https://pokerdb.thehendonmob.com/ranking/491/

様々な国で賞金(インマネ)を獲得をして、そのインマネをした国の数を競うランキングだ。世界中を旅してまわりながら、ポーカーをして、ランキング上位を目指すなんて、とても夢のような話じゃないかい。

今回の台湾は、戦争でロシアのカジノに行けなくなったのを見て、世界的に情勢が不安になりそうなところは早めに行った方がいいなと思って来たのである(取れなかったけど)

台湾は旅行として来ても楽しいところなのでまた来たいと思う。

というか、今回は賞金獲得もできなかったので、ブログそのものも旅行日記になってしまった。

美味しいパイナップルケーキを購入するため、清の時代から続いている老舗の銘菓本店に行く話(後で食べたら、口の中の水分を奪わない系のかなり美味しいケーキだった)やふらっと入った路地裏の小さな飯屋話はあと3つくらいあるのだが、また次回書こうと思う。

いつもより少し短めの記事になってしまった。次こそは賞金獲得してポーカー追体験できる日記を書きたいものだ。

最近は、日本国内でもポーカー大会が面白くなってきているので、そちらも積極的に参戦していきたいと考えている。海外はこれで年内最後だ。12月と1月は忘年会と新年会が週に1回は入るから、まとまって海外に行けなくてね・・・。

それでは、また!