APTテグ(4) 「モンスタースタックとグリード」

テグでごはん

海外で数回ポーカーで勝つと「もしかしたら、この道で食べていけるんじゃないか」と錯覚する瞬間が誰にでもあると思う。で、本当に仕事やめてポーカー一本で食べていくものの、1年もすると思ったよりも稼げなかったりギャンブル生活が辛くて、諦めて日本に帰国する人がけっこう多いらしい。

僕の敬愛するロースおじさんも「◇ギャンブルで食っていくのはやめとき」と言っているくらいだから、本当にギャンブラーという生き方は厳しい道なのだろう。(ちなみに僕は自営業でポーカーは趣味。プロじゃないよ!)

今日はそんなギャンブルで生きている生粋のギャンブラーことプロポーカープレーヤーの土川さんと昼ご飯だ。ポーカー始める前もプロギャンブラーとして世界中のカジノを回っていたらしく、日本でサラリーマンをしていたら、なかなか出会えないような人だ。

海外ポーカーを始めたばかりの頃は一緒に御飯に行く友達がおらず、カジノで無料で提供されたサブウェイのサンドイッチを三個くらいかっさらい、鞄にこそこそと隠して持って帰って、コンビニで買ってきた缶ビール片手に暗いホテルのベッドの上でぼっち飯を食べて、帰国するたび3キロ体重を減らしていたあの頃・・・。

その頃に比べると今はなんとリア充なんだろうか。ポーカーは社交場でもあると言われているが、確かにその通りだと最近よく思う。

土川さんに教えてもらったお店に京都の大御所のOさんと同室のY氏の三人で向かう。タクシーの運ちゃんが店の場所を知らなくて若干困ったが、なんとか自分たちで見つけることが出来た。

店にはまだ土川さんはおらず、誰もいない。

もう約束の時間にもなってしまったし、お腹も空いていたので先に食べてるかっと三人で言葉が分からないなりに四苦八苦しながら注文をする。メニューに写真がなかったので、本当にちゃんと頼めたのかどうか不安になっていると、見知った顔がお店に入ってきた。日本語ペラペラの韓国人のLさんだ。

「もしかして、土川さんと一緒に来られるはずだったんですか?」と聞くと「いや、たまたま1人でここに来ただけですよ」と言いながら、さっきの僕達が注文したものの確認と説明をしてくれた。非常に助かった!

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カルグスクは日本で云うところの「うどん」のようなものだが、日本での生活が長かったLさん曰く正確には「うどんではない」らしい。仙台のほうとうみたいなものかねえ、なんて言いながら黙々と食べる京都組。韓国で珍しく辛くもなく、キムチ系でもないものを食べた気がする。

さらにLさんが「ここのカルグスクはまあまあですけど、餃子が一番美味しいんですよ。食べてみてください」と餃子を人数分奢ってくれた!神か。

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お昼ごはんなので、さくっと食べ終えてしまう。土川さんを待たなかったけど、皆1人でふらりと来る感じのお店だと分かったし、まあいいか、とお店を後にして、カジノまで歩いて行く事にした。

3月も下旬であり、韓国も桜が満開だ。

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昨日、Y氏はデイ2を通過した。今日の1時からデイ3で今日はファイナルに残る8人までトーナメントを行うらしい。残っているは13人。チップリが18万点持っており、Y氏は二番目の17万点ある。

「インマネは出来そうやねえ」「でも一手間違えるとすぐに飛ぶから気をつけるんやぞ」と痩せたY氏の背中を見送り、暇になった僕たちはカジノの隅っこで持参したトランプでチャイポを始めた。

初手で僕がファンタジーを作り、次に上から99、クワッド、ストフラの恐ろしいファンタジー継続ハンドを作って、大勝ち。今日はなんだかハンドが来そうな感じだ。

そう思っていたらハンドではなく、カジノスタッフがやってきて「カジノでは持ち込みカードゲームは禁止なんですよ・・・」と申し訳無さそうに注意。まあ、そりゃそうだよな。と僕らもカードをしまった。

そんな時、土川さんからメールが届く「信じられないかもしれないが・・・・今、起きた」とまるでスタンド攻撃にあったポルナレフみたいな文面が。ポルナレフの台詞としては微妙に間違っているので、ジョジョ的にボケたのか、普通に今起きたのか・・・。ギャンブラーらしくダービーのように「グッド!元々起きていた方に賭けようッ!」って返事をするのが正解なのか。とりあえず、素数を数えて気持ちを落ち着かせた結果「うどん、美味しかったです」とまっとうな社会人らしい返事を送信。すると「せやろ」と謎のドヤメールが送られてきたので、もっとボケても良かったのかもしれないと角砂糖三つ分くらい後悔した。

今日、僕はモンスタースタックに出場する。メインに飛んでしまったので、長くゆっくり遊べそうなトーナメントはこれくらいしかもう残っていない。2デイイベント。3万点持ちの30分回し。

頭から入ろうと思っていたのだが、最初に座っているのはサムとサングラスをかけたプロ、日本人プロ、あとは負けてるハンドで相手をまくるとカラスの鳴きマネをするタイトなアメリカ人の爺さん。爺さん以外、明らかに上手い3人が入っていて、いきなりテーブルが辛い。

僕と似たようなアマチュアプレーヤーも入ろうと思ってテーブル近くまで来て、ううんと顔をしかめている。

みんな入りたいけど、入りにくいみたいな雰囲気があってお見合い状態だったのだが、ポツポツ参加者も増え始めたので、僕も恐る恐るテーブルに入る。

さっきのチャイポで物凄い運を引き寄せたのか、AAの直後にKKが来て、次にQQが来た。AAはちょい勝ち、まさかのKKvsKKで引き分け。QQvs1010で大勝。その2ハンド後には「1010」が来てセットになった(ボードが4枚同じ色になって降ろされてしまったけど・・・)

色もどんどん絡み、フラッシュ同士でぶつかってサムを飛ばすことが出来た。

順調にチップを増やし、残り6人というところで本日は終了した。

残念なことにY氏がメインイベントのバブルで飛んでしまっていた。二番目にチップがあったのに、大きく二度ぶつかってしまったらしい。バブルプロテクションを持っていたので、バイイン代は帰ってきたみたいなのだが、バブルは辛いものがある。

「誰か私とチャイポやりませんか・・・」とOさんがうろうろとチャイポの相手を探してゾンビのように徘徊していた。「トナメ終わったし、一緒の方向ですし帰りませんか?」と誘うと「チャイポの相手がいればいいんだけど・・・あ、チャイポします!!?」と喋っている途中でも、出来そうな人を見ると知らない人でも一目散に勧誘に走って行く。昼に途中で止めさせられたのが、変にチャイポ欲求を高めてしまったのであろう。これはだめだな、と諦めて1人でタクシーに乗ってその日は帰った。

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※適当に頼んでも美味しいもの出てきた。メレンゲスープみたいなものが面白かった。

モンスタースタックの二日目。

4人から入賞。Fujiyaさんが飛び5人のバブルタイムに突入した。ショートがK2でKQ相手に2を引いたり、セットを引かれた後にショートがセットを引き直すなど、前回のオマハ同様、ぎりぎりの戦いのところでショートがダブルアップして、なかなか終わらない。

次第に安全地帯にいたはずの僕がショートになり、ダブルアップをしなければいけなくなる。そして、僕の7bb A10オールインがチップリのJJにコールされて、Aが当たることなくバブル(入賞直前)で飛んでしまった。

気を取り直して僕が参加できる最後のトーナメント「Greed NLH」に出ることにした。賞金分配に特徴のあるトーナメントだ。インマネすると、その時点で話し合いが行われる。賞金を均等に分けるか続行するか。もし続行して一番最初の飛ぶとバイインの2倍の金額が貰える。そして誰かが飛ぶたびに賞金を山分けするか続行するかの会議を行うのだ。

今回は参加者が15人程度だったので、3人からインマネである。3人で賞金を分けるか否か。賞金をわけた場合、トロフィーはチップリが貰えることが出来る。チップリのお金や名誉に関する考え方で、山分けに応じるかどうかが決まってくる。まさに「Greed(強欲)」のレースだ。(※グリードって言葉は鋼の錬金術師で覚えました:32歳男性:もりゃ~まさんからの投稿)

さて、結果から云うと残り3人に残った。

チップリが海外初参加の大阪のEさん(全体の55%)。セカンドがAPT最強のサム(25%)、もりゃ~ま(20%)。Eさんは初参加なのでとにかくトロフィーが欲しいとのこと。サムはお金よりもAPTポイントを安定して稼ぎたい(3等分するとポイントも3等分になるらしい)。そして僕は一番ショートなのでお金を貰えると助かる(今回の旅ではまだ収支がマイナス)。さらにもし、僕かサムがEさんにやられたら、チップ量的に次の交渉はかなり難しくなる。

まさかの利害の一致。誰もが足るを知る、まさかのGreed(貪欲・強欲)トーナメント。

トロフィーをEさんに渡し、賞金を山分けでディール成立。いやあ良かった良かった。

ふと、近くにいたOさんに目を向けると、Oさん、何やら思いつめた顔をしている。

Oさん「こっちのテーブル空いてて使っていないんだから、チャイポに使わしてくれればいいのに・・・」

僕「カジノじゃ、やっぱり持ち込みカードはダメですからねえ。こっち(APT会場)でも無理ですよ」

Oさん「知ってる。でも三日前は使わしてくれたのに・・・」

僕「APTスタッフもここカジノに借りてるだけですからねえ。きっと上のカジノ側から注意されたから、もう無理でしょうねえ。」

Oさん「知ってるよ(怒)。でも、そんなのどうでもいい。カジノなんて関係ねえ・・・俺は・・・チャイポがやりたいんだ」

あまりにも鬼気迫る迫力に一瞬言葉を失う。普段ニコニコして好々爺みたいな感じなのに、あまりにもチャイポがやりたすぎて、目が座り始めている。そういえば昨日も場所がないならカジノに泊まっている奥林君(自称OKB48)の部屋を使えばいいんだ、って奥林君の許可を取る前から対戦相手を探していていた・・・。

僕と京都滋賀組の面々は参加できる試合が全て終了したので、最終日は焼き肉を食べに行こうと話をしていた。Oさんもこれからご一緒にどうですか?と誘うと「チャイポの相手が見つかりました!後で合流するかもしれません!」と風のように去っていった。もっとも自分のGreedに忠実な人を試合の外で見た、もりゃ~まであった。

先ほど一緒に勝負をしていたEさんも一緒に食事に行くことになり、さらに日本語ペラペラ韓国人のキムさんも一緒に来てくれることになった。「注文と肉の焼き方は任してください!」と実に頼もしい。

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※久々に生ユッケを食べた!

焼き肉を食べ、カジノのホテルから目と鼻の先にある謎の建物を冷やかし、ワイワイと楽しい時間を過ごした。

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こんな感じであっという間にAPT大邱が終わってしまった。参加人数こそちょっと少なかったけれども、それでこそ、直ぐ目の前にトロフィーがあって手が届きそうな感覚を味わうことができた。実際、オマハなど本当にあと一歩だった。

次回こそ、優勝したいものである。

ここまでご精読ありがとうございます。またどこかのカジノかアミューズでお会いしましょう!

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