これまでマカオは3連続ほどノーマネーでフィニッシュだ。
それどころか、ここ2年ほど海外でインマネゼロである。この間のベトナムも結局のところ坊主だった。
ポーカーをやっていない知人友人に対して「いやー、ポーカーをやっているとカジノで賞金を稼げるから、大体、旅費分くらいはいつも勝っちゃうんだよね(笑)」と適当な嘘をついているのだが、このまま負け続けてしまうと「適当な嘘」というよりも「本格的な嘘」になってしまい、万が一、知人友人がこのブログを見つけようものなら「毎回、海外のカジノで散財して、素寒貧になって帰ってくる、ホラッチョもりゃ~まさんじゃないですか(笑)」と嘲笑と哀れみに満ちた目で肩をポンポンと叩かれてしまうだろう。
優勝でなくてもよい。なんとかして、少しでも賞金を持って凱旋帰国したい!
そんな低めの志を胸に抱き、中年のおっさん一人、年度末の3月半ばに京都を出て、マカオのカジノへと旅立ったのであった。
今回はマカオのAPPTかフィリピンのAPTのどちらかで迷ったのだが、思いがけずマカオの方がトーナメントのスケジュール構成がよかった。(いつもはAPTの方がサイドトナメの日程がよいのに)
さて、今回、マカオでは珍しく高めの宿をとった。高めといっても、平均的な日本人プレーヤーが泊まる宿だ。ポーカー会場の隣のホリデーインである。いつもは、一泊6000円前後のマカオ半島の海側なのだが、最近急な仕事が入ることも多く、移動時間や待ち時間を有効に仕事に使おうと思い、奮発してみたのである。
※一番奥から一つ手前というえらい距離だった・・・。
マカオの到着して、チェックインを済ませ、さっそく夜から始まる15000HKのトーナメントにエントリー。若干、移動疲れもあるが、滞在できる少ない時間を有効活用しなければいけない。
さて、レベル1から参加。
テーブルに座ると、斜め向かいに中国の超強いプレーヤーのGuo Dongがいる・・・。赤い眼鏡をかけて、髪がもじゃもじゃの生涯賞金1億円以上稼いでいて、APTのメインイベントや様々なイベントで優勝している、まあ、レクリエーションプレーヤーの僕でも知っているくらいの人物だ。
前も15000HKのテーブル座った時に同卓だった気がする。初っ端からついていない。激安トーナメントで出会えるならまだしも、15000HK(日本円で約20万円)は僕にとってはけっこう勇気のいる大金だ。
ゲームの序盤、テーブル移動も多いから、どこかに飛んで行ってくれー!と願っていると、僕の隣やGuoの隣があちらこちらに移動していく、1時間立つ頃には、僕ら二人以外は全員違う人になる。ピンポイントで僕とGuoだけがテーブルに残される。Guoはよほどプリプロップ後に自信があるのか、まったくプリフロで降りないので、レイズインするたびに毎回つらい戦いを強いられる。
しばらくするとまた別のプロが入ってくる。スポンサーのワッペンを付けている。そして周りを巻き込みながら、プロとGuoのチップがどんどん増えていく。しかし、さらに時間がたつとプロとGuoがバチバチにぶつかり合う。壮絶なブラフの応酬でワッペンプロが勝ち、Guoはショートになる。完全に傍観者になっている僕は「このままGuoがいなくなってくれますように」と卑屈な願いを祈っていると、Guoを含めた3人のプリフロップオールイン合戦へ!
西洋人の初老のおっさんがAA
初心者っぽいグラサン中国人がKK
GuoがTT
「ディモールト・ベネ!(非常に良しッッ!)」心の中で初老のおっさんに拍手を送る。ところがである、Tが落ちて、Guoがまさかのトリプルアップ。まさかのプロの底力・・・。
結局、Guoにテーブルを支配されながら、本日の最終レベルのレベル7に突入。僕はと言えば、8000点くらいでスタートの半分程度のチップ量である。
そんな時、本日初めてのプレミアムハンド「KK」が手元にやってくる。500/1000アンダーザガンから西洋の初老のおっさんが2300にベット。ボタンがコール、そしてBBの僕が少し多めにリレイズ。すると、おっさん、若干迷ってコール。
フロップ K93
おお、強い。おっさんチェック。僕も強すぎるので一旦チェック。
ターン K935
おっさん、チェック。僕がブラフっぽく感じでオールインすると、さくっとおっさん降りた。
これでようやく原点に戻ってきた。
そのあと、何回かスチールが決まり、試合が終わる頃には2万4千点ほど持って終了することができた。
とりあえず、明日のDay2まで生き残れた。この日は最後に巻き返した興奮と疲れからかあまり眠れない夜を過ごしたのであった。
・・・・次の日・・・・
朝起きて、Twitterを眺めていると嫁が体調の悪さを呟いていた。どうも僕もクシャミが出るし、ちょっと体がだるい。おそらく睡眠不足と疲れから、身体が弱っているのだろう。
ベネチアンでお昼ご飯を食べに出かける。マカオに来ると、毎回平べったいもちもちとした触感の焼きそばを食べることにしている。フードコートで店員に焼きそばを指さし注文。そして、なぜかチャーハンが出てくる。抗議を試みてみるが、すまなそうな顔をされるだけでバイトの店員は一向に取り合ってくれない。悲しいかな、チャーハンも実に美味しそうなのである。心はもちもちの焼きそばに思いを馳せているものの、身体はチャーハンを求め始めていた。
気が付いたら僕はチャーハンを食べていた。
Day2は12時から開始だ。
少し早めに会場をうろうろしていると昨日の初老の西洋人のおっさんがいた。
「昨日と同じテーブルですかねえ」と軽く挨拶を交わすと「いや、テーブルはばらばらさ。チップ量覚えているかい?ネットに掲載されているよ」とスマホを差し出してくれた。
やった!Guoと違うテーブルだ!昨日はずっとテーブルを支配されていて、思うように動けなかったから、素直に嬉しい。
今日のテーブルは皆下手の人はいないものの、誰か一人がテーブルを支配することなく、普通に進行していく。なので、僕のスチールもぼちぼち決まるし、ギリギリの戦いを毎回強いられることもない。やはり昨日のテーブルは厳しかったことを改めて実感。
ハンドは昨日と同じ、可もなく不可もなしといったところ。
割と人の入れ替わりが激しく、取ったり取られたりしながら、ほぼ金額をキープ。
人数が減ってきたのか、テーブルが閉まることになった。テーブル移動だ。変なテーブルになりませんように。
しかし、僕の希望はまったく通らなかった。
1番シートにGuo。3番シートにスターズ契約プロのセリーナ。そして僕が4番シートだ。
また辛いテーブルに戻ってきてしまった・・・。
つづく。