ACOP2017 前半

仕事、家族、環境など大きく変わり、以前のように二か月に一回海外で一週間ぷらぷらすることが難しくなった。普通に考えると、その状況が特殊すぎたのかもしれないが・・・。

お久しぶりです。もりゃ~まです。

はてさて、そんなこんなで、一年半ぶりの海外ポーカー。

三泊四日の短期集中型。今回は週の半ばから参加ということもあり、京都のポーカー仲間に誰にも声をかけることなく、コソコソと一人で旅の支度を整える。

ポーカーをせず真面目に仕事をしていたおかげか、この一年半の間で取引先も増えた。そのため、facebookはしがらみの塊となり、ハイテンションな投稿は自粛。しかし、久々の海外を我慢できず、匿名(もりゃ~ま)でTwitterに一言だけ呟く。瞬く間に3社の取引先にバレたでござる。恐るべき情報化社会。

心配だった台風は無事に日本を通過し、25日に関空から直行便でマカオに到着。

飛行機が風に上手く乗れたのか、少し早めに着いた。そのままカジノに向かうつもりだったのだが、一旦、ホテルに荷物を預けに行く。今回泊まったホテルはタイパ島にある「リージェンシー アートホテル」。タイパの端っこにあり、口コミによれば「少し古ぼけた感じのお手頃の宿」という評判だ。

アートホテルというだけあって、壁のいたるところに絵が飾られている。ロビーにはル・コルビジェのソファ「LC3」がわんさか置かれていた。僕でも知っているほどに有名なソファだ。むしろ、これくらいしかソファを知らない。

室内も綺麗で、水回りもまあまあ。いつもは一番安い宿に泊まっているのだが、宿泊期間も短いので、ほんの少しだけ予算をあげたのである。

会場まではいつも通り、公共機関のバスを利用する。大体3HK前後(40円前後)で移動できるので、関西人の僕としてはバスを使わないことが罪である。1年半ぶりに使う、pitapaのようなマカオバスカードが使えるか心配だったが、ちゃんと反応してくれた。

さて、今回の大会はアジアでもっとも参加費が高く、賞金が高いACOPである。先日もハイローラーで2億円の賞金が出たところだ。

知っている日本人を数人か見つけられたが、知らない人の方が圧倒的に多かった。最近みな、口を揃えて同じこというのだが、ここ数年で一気に日本人プレーヤーが増えた。

実際、日本人で賞金を一度でも獲得したことがあるプレーヤーは2年前では500人前後だったのだが、この一年半の間に1,000人を超えている。賞金獲得ラインは参加人数の10%程度なので、おそらく何千人という日本人が海外ポーカーを挑戦しているということだ。

かくいう僕も一年半前は日本人の中での総合獲得賞金ランキングが70位くらいだったのに、今や100位圏外まで落ちている。ランキングとか世間体とか細かい所が気になる案外俗っぽい性格なので、今回はなんとしても賞金を獲得したいものである。

さて、最初に参加したのは、5,000HK Knock Out。一人飛ばすことに1,000HKのバウンティが貰えるトーナメントだ。

レベル2の序盤(50 – 100)。僕がSBの時にKKが手元にやってきた。

ミドルポジションから中国人の方が300へのレイズ。さらに人相の悪い中国の方がワンコール。序盤だから、一人くらいはついてくるだろうと思い、僕は1,500にリレイズ。二人とも着いてきた。序盤って感じだ。

ボード「45Q」

悪くない。でも二人を相手にするのにはKKでも心細い。2,500をベットすると、最初のオリジナルレイザーが降りた。人相の悪い方がコール。

ターン「45Q9」

序盤だからセットもあるで・・・。色も2枚重なった。45の二枚重なったorセットだったら、少し打ってくるだろう。と、考え、チェック。すると相手もチェック。ふむ。せいぜいトップヒットのKQくらいかしら。

リバー「45Q92」

ラグっぽい。たぶん勝っているけど、相手のハンドレンジも分からないし、こんなに早く飛びたくないなぁ、と弱気になってチェック。すると相手からはオールインが飛んできた!1万点スタートなので、大体お互い残り6,500点前後。

こいつは困ったなぁ、と思ったが、相手がターンでアクションしなかったこと&打ちすぎな気がした。2ペアでもセットでもハート二枚重なったら、心情的に相手を降ろしたくなるものだ。

しぶしぶコール。

僕の判断は間違っておらず、相手は68oでストレートのガットが引けずに滑ってオールインをしたみたいだ。

下手したら大けが(ていうか、退場)をしていたかもしれないが、マカオのサイドイベントはさくさく進むので、ある程度は割り切って参加しようと思っていることが功を奏したようだ。

幸先がよくダブルアップ。ほんのすこしだけ相手がチップを持っていたので、バウンティは貰えなかった・・・とほほ。

こんな感じで、増えたり減ったりしながら、117人いた人数が残り30数名まで減る。

海外で活躍されているTさんがテーブルに移ってくる。ボタンからのレイズにTさんはKKでリレイズ、ボタンはAQでオールイン。もちろんTさんはコール。悲しいことにボードにAAJと落ち、KKが負け大幅にチップを減らす。知り合いがついていないのを見るのは悲しいものである。

と、思っていたら僕の手元にもKKがやってきた。

手元には残り12BB。必ずCBを打つ、ドロー大好きの右側の人(ミドルポジション)が2.5BBでレイズイン。ここでシナリオを考える。

1) セオリー通り素直に良いハンドだからオールイン
2) コールをしてフロップのAの有無を確認後、右の人にCBを打ってもらった後にオールイン。
3) コールをして誰かのスクイーズが入ってそこで喜び勇んでオールウィンッ!

3がベスト。2でまあまあOK。ここはダブルアップしたいハンドなので、リスクを取ろう!

「コォーールゥ」ショートのおっさん(僕)が不気味に呟く。

パタパタパタと降りて行って、BBまで順番が回る。人のよさそうな中国のおっちゃんが「ええー、どうしようかなぁ」とニコニコしながら悩む。そして「ええい、コール!」と参加してきた。まさかの「シナリオ4:参加者が無駄に増える」だ。リスクましまし。

フロップ「892」

うん。悪くない。色が気になるところだが、ハンドを絞り始めるラウンドだから、TJは薄いと思う。

そして僕の右側の最初にベットした男、予想通りコンティニューエーションベット(CB)を打ってきた。計画通り、とデスノートの主人公(夜神月)のようにほくそ笑む。夜神月気分に浸っているのは本人だけで、他人が見たらカイジに出てくる猥雑なキャラの笑みに見えただろう(エスポワール号篇の安藤ぐらいに)。

とりま、予定通り僕は間髪をいれず手持ちのチップを全部テーブルに押し出した。

BBのおっさん「ええ、どうしよう~」とクネクネしながら、5秒ほど悩んでフォールド。CBを打った兄さん、コール。CB兄さんのハンドはATsのフラッシュドロー。Aとスペードから逃げ切るだけだ!

ターン「8927」

抜けろ・・・。抜けてくれ!フラッシュを引かれないでくださいまし!

リバー「8927J」

やった!抜けた!フラッシュドローとAをすり抜けたぞ!ダブルアップだ!

安心して、チップを手元に戻そうとすると、トントンとテーブルを叩かれる。

「ストレートやで(英語)」

ぐにゃぁぁぁぁぁ・・・。ジーザス、いつから僕の目はカードの数字を識別できなくなっていたのだろうか。あまりの悔しさに、夜神月からFXで有り金全部溶かした人の顔へと悲しく変貌する。

勝負どころに弱いなぁ。肩の爆弾がいつもいいところで爆発する。ダイジョーブ博士に一度見てもらいたいものだ。

がっくりとうなだれてテーブルを離れる。飛行機でやってきて、そのままポーカーをしていたのでおつかれモードだ。明日に備えよう。今日はまっすぐにホテルに戻って身体を休めることにしたのだった。

つづく。