APTベトナム2020 その4(最後)

APTベトナム2020

毎日飽きもせずにフォーばかり食べている。

パクチーが好きだ。生春巻きも良い。フォーなども京都人も納得の出汁である。全般的にベトナム料理がベリーグッドだ。

物価は安く夜中も安全。目に見えて経済成長していて街に活気がある。新宿よりもこっちに住みたいくらいだ。

朝、朝食会場(ホテルの屋上)で食堂のおばちゃんが作ってくれる胡椒が効きすぎたフォーを食べながら、パラパラとAPTのパンフレットをめくる。

フォー

今日はオマハとターボのイベントがある。オマハはAPTテグで2位になって以好きなゲームの一つになった。

オマハの魅力はいろいろとあるが、一番は自分自身の成長を感じれることだと思う。普段からオマハをするわけでもなく、勉強すらしないものだから、学ぶことが盛りだくさんなのだ。

もちろん、普通のテキサスホールデムもまだまだ勉強不足ではあるが、なんやかんやプレイ暦も10年を超えるので、成長の上昇幅がかなり狭くなってきているのである。

それに比べるとオマハは、1トーナメントづつ。なんなら数時間後にすら、確実に知識を吸収しているのを実感できる。ポーカーを始めた頃のあのワクワク感を思い出す。

なんだかポーカーがマンネリ化してきたなぁって方は是非オマハをやってみることをお勧めする。

マンネリ化・・・についてなんだけど、プロ格闘ゲーマーの梅原大吾が語っていた内容がとても良かったので引用したい。

「『ゲームに飽きた』って言うんですけど、これは違うんですよ。ゲームに飽きたんじゃない、成長しないことに飽きたんです」「やってることが一緒だからゲームがつまらないってことにしてるんだけど、問題なのは成長していない自分のほう」 https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1701/23/news074.html

つまり、オマハやろうぜってことである。

磯野家の長男に声をかける野球好きな友人Nのように「おーい、オマハやろうぜ~」と周りに声をかけて回るのだが、皆揃って首を横に振るばかりだ。唯一、一人だけ同じテーブルに座ってくれたのは、僕にオマハを教えてくれた土川さんだけだった。

さっそくオマハでの立ち回り方を知らない初心者の人を2名飛ばす。15,000点がスタートチップなのだが、レベル2までには35,000点ほどになる。その後も初心者いじめに精を出そうとするのだが、リバーでまくられまくって、レベル5には飛んでしまった。

再び知能指数が著しく低下する。この後の記憶がなくなる。目を覚ますと同じテーブルの同じ椅子に座っており、チップが15,000点あった。そして、なくなった。

ターボイベントは何事もなく、特筆するような出来事もなく、普通に負けてしまった。

ああ、全部負けた。インマネなしの全すべり。それどころか、おかわりしちゃったので、想定の1.5倍くらいのお金を使ってしまった。急に寂しくなって、タバコは吸わないが喫煙コーナーのソファに腰をおろす。窓に目を向けるとトカゲがチョロチョロ這いまわっていた。トカゲはお金の心配しなくていいなぁ。

そういえば、今日から福岡からBack Door BarのFujiyaさんが来ているのだ。ADさん達と蟹を食べに行っていると言っていた。まだ8時だし間に合うだろう。

皆が行っているのはベトナムでも有名なソフトシェルクラブの店「クアン94」。ニュースサイトにも取り上げられている蟹丸ごと揚げの美味しい店らしい。

【なぜか本家より美味い】ベトナムのホーチミンに行ったら絶対に食べるべき「有名カニ料理店の隣にあるパクリ店のソフトシェルクラブの唐揚げ」がコレだ!Rocket News24

お店につくとFujiyaさん、土川さん、ADさんと知らない二人の男性がいた。シンさんと福森さんだと紹介を受ける。シンさんはミュージシャンなんだよ、と土川さんは言い、ADさんは知っていた人だと胸を張る。福森さんはカメラマンでシンさんに付いてきたとのこと。

シンさん「唄人羽(うたいびとはね)でギターを持っている方です」と正体を明かしてくれる。

唄人羽・・・本人を目の前にしてwikipediaを調べるもりゃ~ま。「けっこう・・・詳しく載ってるものですね」と僕の携帯を横から覗きながらシンさんも呟く。いろいろ調べたあげく「すいません・・・存じ上げてないかもしれません・・・」と項垂れたのであった。

皆は食事を終えたところだったのだが、来たばかりの僕がご飯を食べるため、待ってくれた。有名な蟹のまるごと揚げを食べることができ、嬉しみが深い。

本店か偽物店かどちらかは分からない

その後、レタントンにある日本人街へと移動。

Fujiyaさんの馴染みにスナックに行くと「唄人羽さんのライブに行っていました!羽っこです~」というお姉さんに遭遇。あの頃は、ゆず、19、唄人羽、コブクロが同じジャンルでよく音楽番組などに出ていたらしい。テレビが絶大な影響力を誇っていた時代のメジャーアーティストだ。

もしや・・・と思って、福森さんの名前も検索してみる。すぐにホームページが見つかり、実績を見てみると、有名な俳優やアーティスト、アルバムのカバーを撮影されている実力派カメラマンだ! →福森さんのホームページ(http://shouichifukumori.com/)

おお、なんか凄い人たち来てるなぁ。ちなみに唄人羽さんは20周年らしい。 →ホームページ

店を変え、近くのバーで呑むことになった。トイレから返ってくると、たまたまシンさんの隣が空いていたので座る。どうしよう。有名人相手に何を話せばよいのだろうか・・・。

唄人羽さんがテレビで歌っていた20年前・・・中学生だった僕は、親の仕事の都合でアメリカにいた。まだインターネットもモデム接続で、今のようにyoutubeなどなく、画像を時間をかけて表示していた時代だ。日本の音楽は従兄から時折送られてくるカセットテープと週に一度の日本人補習校の友達たちと貸し借りするCDだけが僕の日本音楽のソースだ。だから、その時の時代の空気感みたいなものも分からないし、情報はけっこう偏っている。

ああ、うう、えっとぉ、あわわ、と挙動不審にしているとシンさんから話しかけてくれる。

「AJは3ベットされます?」

思わず泣きそうになる。一体自分は何を考えていたのだろう。僕たち皆、ポーカーやるためにわざわざベトナムまでやってきたのではないか。いろんな職種や職業の人たちが集まるのがポーカーじゃないか。唄人羽ではなくポーカープレーヤーのシンさんと話をしているんだった。「釣れてますか」並みの素敵な切り口だ。

「ポジションとオープンした人のプレイスタイル、チップ量とか、状況で変わります(震え声)・・・」

ですよねぇ。と、その後もポーカーのハンドについて熱く語るシンさん。ポーカーはやっぱりいいものだ。

いい具合にふらふらになるくらい呑みその日は解散。Fujiyaさん達といるとつい楽しくて飲みすぎてしまう。APTの大会はこういうところも含め楽しい。前日も前々日も皆と呑んでいたので毎日呑んでいてお正月みたいだ。

最終日は何もない。本当ならメインのファイナルテーブルに座っているはずだったのだが・・・何を間違えたか、メディア席でブログを書いている。

そんな感じで、僕のAPTベトナムが終了した。相も変わらず課題だらけで、まだまだポーカーの道は険しく楽しい。

今年も案外忙しそうな気がするのだが・・・やっぱり海外ポーカーは楽しいので、できるだけこのブログを更新できるよう外に出たい。

では、また、どこかの会場で!