レッドドラゴン(2015秋)~おわり~

バウンティチップ

少しだけ朝の仮眠をとり、今日で帰国のY氏とOさんと最後の昼ご飯を食べに行く。

本当は火鍋を食べるはずだったのだが、徹夜明けの身体に辛い鍋は若干きついと思い、僕のわがままで別のものに変更してもらう。そういえば、まだこっちに来てからビュッフェ(バイキング)を食べていない。デブはビュッフェが好きなのである。

「みんなが帰ったら、一人でブッフェなんて寂しくていけない!」とデブの涙ながらの訴えに、小食のY氏やビュッフェに偏見を持っているOさんも心を動かされたのか、同意を得ることができた。日本人の間で好評だと言われているお店に出かけたのであった。

しかし、2時に着いたら終わってた・・・。

結局、近所の高級レストランでセレブOL的な中華を食べ、お茶をにごす。

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※酢豚のパイナップルが謎に旨かった。

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※少し辛い回鍋肉。

香港経由で祖国(日本)へと帰る二人に別れの挨拶をして、一人ポーカー会場のCODへ。本日は3000HKのトーナメントに出場だ。

可もなく不可もなし、といった感じでこれといったハンドもこないけど、けしてツイていないわけでもない、普通のハンドレンジだ。じんわりと進んで行き、気がつけばあと30人程度でインマネである。

僕の最後を看取ったのはWSOPチャンピオンなったNさんだ。同卓になった時「ブレスレットおめでとうございます!あの時、僕も後ろで見ていたんですよー。関西の人間なので、これからもよろしくお願いしますー」などと軽く喋る。Nさんもニコニコしていていい人そうだ。しかし、その直後にNさんがオールイン。出会って10秒でオールイン!自分のハンドを見ると「AK」の同じ色。10数BBだったので、もう受けざるを得ない。こっちもオールインだ。

「うわー、僕弱いんですよお」とNさん。人の良さそうな顔で困った感じにカードを開く。チャンピオンのハンドはスーツのA3。

案の定、ランナー・ランナーフラッシュをひかれて負ける。持っているものが違うぜ・・・。「頑張ってください!」と半笑い気味に席をたつ。あと1時間くらい粘ったら賞金だっただけに悔しいのう。

試合中、ずーっとあくびばかりをしていて、目蓋がめっさ重い。朝までチャイニーズポーカーをしていたからだ(ちなみに負けた)。まだそんなに夜もふけていないが、集中力も途切れてきたし、帰って寝よう。

部屋に帰るとY氏が寝ていたエキストラベッドなども全部片付いており、急に部屋が広くなって寂しくなってしまった。徹夜からの疲れか、まだ9時くらいだというのに、ベッドに倒れこんだら数分で眠りについた。

次の日の試合は5000HKのKOバウンティである。

妙にハンドが来るのだが、まったく絡まない。ポケットも連続で来るが微妙なボードになることが多い。いわゆる半ヅキ状態。リバーでまくられまくって、早い段階で終わってしまう。一枚もバウンティチップを貰うことが出来なかった。

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※バウンティチップはサメのぬいぐるみの絵がついている。無駄に可愛い。

半ヅキ状態は嫌だからポーカーはしたくなかったのだが、眠くもないし、体力も有り余っている。先日はギャンブルでお金を失っているし、ホテル代くらいはキャッシュで稼ぎたい。そう思って25/50の席に5000HKを持って座る。

参加ハンド一手目。KQのオフスーツ。相手はセット。運悪く2本当たる。相手のバリューベットを全部チェックコールして負ける。(最後は降りれたなあ)

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参加二手目。またKQのオフスーツだ。ボードにAが落ちて何も出来ずフォールド。

参加三手目。スーツのAQが来る。今日はツイていないので、アンダーザガンのレイズにコール。すると僕の後ろの奴がその3倍レイズ。ポケットだろうなと思い、Aよ落ちろと根性コール。すると相手フロップセット出来る。運が悪く、僕もトリップスだ。

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Aが落ちることなく、チップを全部奪われる。

開始20分程度。参加3ハンド。5000HK負ける。半ヅキもここまで来ると酷いものだ。

やめだやめだー!参加するのに1時間半ほど待っていたのだが、すぐに席を立つ。流れも悪いし、いい具合にティル(感情的になる)ってるしね。

トーナメント会場を見ると一昨日の2万HKトーナメントで最後の二人になっている。そのうちの一人が挨拶を交わしたことがある日本人だ。賞金額が1000万以上が確定しており、最後の名誉をかけた戦いをしている。

多くの日本人が後ろで応援しているので、僕もその中の一人に混ぜてもらう。残念ながら2位で終了するも、賞金は事前にディールしていたらしいので、だいたい1位と同じくらいは貰えているらしい。僕もラスベガスで2位になった時、ディールすれば良かったなあと数ヶ月前の出来事を思い出した。

祝勝会をやるらしいので、一緒に韓国料理に連れてってもらう。毎日酒を呑んでいるんなあ。2次会も参加させてもらい、そこでも酒ばかり呑んでいた。非常に楽しい宴に参加させてもらって感謝。

そして、二日酔いのままトーナメント最終日を迎える。

最後のトーナメントは2500HKのディープスタックだ。

ハンドはメリハリがついていたのだが、全体的にはあまり良くない。参加人数も減っていて、インマネは12位からでなかなか難しそうだ。

それでも、参加人数が半分位になるくらいまでは生き延びる。

14BBの時「KK」でオールインをするとショートの「66」と同じくらいのチップ量の「AQ」にコールされる。Aがターンで落ちて終了。これにて、僕のレッドドラゴンの全トーナメントは終わりになる。5トーナメントで1つの入賞。

今日は実は約束がある。

あのラスベガスでも会った韓国人のジョーと食事に行く約束をしていたのだ。ジョーは「マカオは何もかも高いし、遊ぶところもないから来たくないんだよー」と言っていたのだが、友人がホテル代を全部持ってあげるから付いてきてくれと頼まれてしぶしぶ来たらしい。

ジョーも一つだけ入賞していたのだが、全体的にはマイナスらしい。「ストレスが溜まった時は、スロットに限るよ!頭使わなくていいからね!日本のパチンコと一緒だよ!」と謎の博学っぷりと駄目っぷりを全開だ。

そのジョーをマカオに引き込んだ友人はダンと云うシンガポール人。なんか見たことあるなと思ったら、前回のレッドドラゴンのメインイベントで僕のAAをクラックした人だ!そのハンドのことを話すと最初は覚えていないなあみたいな顔をしていたが、状況を事細かく説明すると「ああ、あっちの席に座っていた時だっけ」と思い出してくれる。なんか、蛭子さんみたいな喋りかたで「えへへ」と笑うダンなのだが、国際線のパイロットをやっているエリートだった。人は見かけによらない。

ジョーと僕の共通の友人のFさんとFさんを誘い、5人でご飯を食べに行く。また酒を飲む。僕の太り方はたぶん酒のせいだ。ビールなら、いくらでも飲める。

その後、ダンがクラップスにはまっているという話になり、僕は興味は持っていたのだが、ルールを知らなかったので教えてもらうことになる。ジョーは「ストレス解消してくるぜ!」とパチンコの仕草をして別フロアへ消えていき、Fさんらも次の日帰るための準備に別の場所へ行く。僕はダンと連れ立ってクラップスという戦場へ。

クラップスはとにかく見た目がかっこいい。

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※ネットで拾ってきた画像。マカオなので周りは中国人だらけよ。

クラップスはサイコロを2つ投げて賭ける遊びだ。木製も枠にチップを載せ、適度な加減でサイコロを向こうの壁にぶつかるように投げる。 最初、力の加減が分からなく、ポーンっと外に飛び出してしまったこともあった。

何回か賽を振り、ルールを覚えて、掛け金を上げた途端にさくっと「7」が落ちてチップを回収されるなど、典型的初心者な負け方をしてた。ずーっと遊ぶなら大小の方が面白いかもしれないが、様々な賭け方を覚えたらクラップスもはまりそうだ。どうもサイコロを使うゲームに弱いみたい。次回は事前学習してから勝負してみようと思う。

そんなこんなで、カジノの負け金額を無事に増やし、クタクタになったところでホテルへと帰って明日の早い帰国のためにごろりと眠りについた。

全ての日程を通してご飯は必ず誰かと共にしていた。友達の友達が友達になる感じで知り合いがどんどん増えていき、ポーカー以外のところでも楽しみを見い出すことができている。

ポーカーはテーブルを囲んで皆でワイワイ遊ぶものなので、友達を作りやすい性質を持っている。基本的に普段はまったく喋ることがない無口な僕も、人の輪に入って行けているのも、やはりポーカーなどのゲームもおかげだ。

毎回ブログの締めは「ポーカーやっててよかった」になっていて、芸がないこと極まりないのだが、まあ、本当にそう思うので仕方がない。

次は、またマカオのACOPかなあ。年明けのオーストラリアで行われているオージーミリオンにも行ってみたい。なんにせよ、旅費と時間と世間体の調整が必要なことは確かなので、いろいろ頑張ろう。

ポーカー以外の話が多かった今回のよもやま話に付き合っていただき、ありがとうございました。次回作にまたご期待ください。