海外おまけ「香港HSBC口座開設できなかった編」

香港の狭いホテル

予定では、マカオのトーナメントで大きく買って、数百万円を香港に持ち帰るつもりだったのだが、まるまる負けてしまったので日本から持ってきたお金しか手元にない。

香港経由でマカオに行ったのには理由がある。

実は香港のHSBCに口座を開こうと思って、わざわざ今回は香港に一泊宿を取ったのである。

都会の中心地である尖沙咀に泊まるとちょいとお高くなるので、少し離れた旺角にギリギリ許せる安宿をとった。470HK。これより安いところもあったのだが、ドミトリーだったり、水回りがトイレとシャワーが一緒になったものとか、HSBCから遠かったりして下手に行けなかったりするのも嫌だったので、470HKで手を打ったのである。

部屋は過去最低の広さを誇る。ベッドしかない。文字通り、ベッドを置いたら終わりの部屋だ。ドアの開閉部分と30cmくらいのスペースのみが靴を脱げるスペースである。(上記写真)

まあ、綺麗だからよかった。狭くても居心地は悪くない。ただ、空調が悪いのか、咳が出る。それだけだ。

さて、目的のHSBC(旺角支店)へと足を運ぶ。

係りの人に案内されて、口座を開くためのインタビュー的なものを受ける。けっこう根掘り葉掘り聞かれた。これは普通に英語喋れないと厳しいレベルに根掘り葉掘りだ。僕も久しぶりに軽口じゃない感じの英語を喋る。

特に使用目的などについて、じっくりと聞かれた。素直にマカオや世界中のHSBCからお金を引き出したいと言ったら、香港のHSBCは他の国のHSBCとはちょっと違うので、手数料などがかかるといわれた。日本のcitibankとアメリカのcitibankが違うようなものかと聞くと、その通りだと答える。なので、マカオで賞金をゲットしても、香港まで来ないと貯金できないらしい。

まあ、大きな賞金をゲットしたら、一旦はカジノの預けて、日を改めて香港に持って行って貯金するのもいいかもしれない。とりあえず、口座開設だけはしたいので、進めてくれとお願いする。

最初の口座を作ったら200000HKの貯金(または運用)が必要と言われる。僕が開きたいのはアドバンスではなく、一番維持手数料が安い口座でいいんだと何度も説明するが、最初はこの総合口座みたいなものでしか開設できないらしい。これはネットになかった情報である。んで、20万HKがないと口座維持手数料がかかる。3か月後にダウングレードできるらしいが、20万HKも持っていないので、3か月は口座維持手数料がとられるのか・・・。ううん、軽い気持ちで口座開設に来たのだが、ダウングレードのためにまた香港まで来なきゃいけないとか、話が少々面倒になってきたぞ。

どうしようかなと迷っている間も、職員の人はさくさくと書類を作っていく。

住所証明の際に海外免許証がひっかかった。「これ、区までしかないけど、住所が最後まで載っている公的な書類は他にないのかい?」「え、海外免許証で作れるって聞いてきたんだけど」「住所がわかるものであればいいんだ。この免許だと住所が不十分なんだよ」

僕の家の住所が長すぎて掲載が省略されていたのか・・・。京都の住所はとても長い。

実は国際免許作った時、同じことを気になっていた(これ、使えるのかなあって)。こんなことも起こりうると思って、念のためにアメリカ税務局から送られてきた書類を持ってきていた!ラスベガスで賞金とった時に「youに納税番号つけたよ★納税してね!」って送られてきた恐ろしい書類だ。公的書類としては申し分なかろう。ナイス俺。

そうすると、紙の書類は3か月以内の発行物じゃないと駄目だ、と残念そうな顔で説明をされる。

最後の手段で、citibank(japan)に口座を持っているので、ログインして言語を英語にすれば個人情報の所も英語で見れるだろう。とcitibankを開くが、なんということでしょう、そういえばこの間買収されたのか日本から撤退していて、smbcなんたらに変わっている!サイトそのものが代わってしまったせいで、パスワードがPCに残っていない!パスワードはオフライン(紙いわゆるペーパー!)に保存していて、覚えていない!

あ、詰んだ。

顔を上げると困った顔の職員と目が会う。走馬燈のようにHSBCに関する準備や友人たちへのドヤ顔で話していたシーンが脳内を駆け巡る。「いやー。今度香港で投資用口座作ってくるわ。日本じゃない買えない金融商品もあるらしいですよ。ガハハ」「脱税するわけじゃないんですけど、ほら、資産を分散するのって大切じゃないすか(資産なんてないけど)」「毎回、トーナメント用に大金持ち歩くのって怖くないっすか」

電車とバスを乗り継いで、京都のめっちゃ不便なところにある運転免許センターでのあの待ち時間。時間潰しに入ったセンター付近の喫茶店のコーヒーの味。半日かけてとった国際免許。国際免許用の写真。ポケットに入れてたら、少し写真が折れちゃって「これでもいけるかな・・・」っておずおずと不安ながら免許職員に出した時のあの気持ち。

あああああああ。口からエクトプラズムが出ている僕の目の前で30分かけて作った僕の個人情報をザクザクと無慈悲にハサミで切り裂いていく職員。僕はいったい、何しに香港まで来たのだろう・・・。

夕方に差し掛かろうとしている、午後4時。無気力な中年おっさん、しょんぼりとHSBCを後にする。

たいして一人で観光しても面白くないので、まんが喫茶のカップルシート並の部屋に戻る。暗い部屋の中でたまったLINE POPのハートを消費し、ブログ用の文章を書きためる。部屋が暗かったのでそのうち寝落ちしてた。

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※ベトナム風の平べったい奴食べた。

夜に軽くご飯を食べた後、またこの究極に狭い部屋に戻り、為替を見る。今日は雇用統計の日だ。実は、119円台でSを決めたまま出国している。と、いうのも、毎回僕が出国するときには円安で帰国の際には円高になるのである。両替で毎回損するように仕組まれている。だから、僕が出国する際に円高に振れる方向に賭けておけば儲かるに違いない!雇用統計じゃんけんポンは下に違いない。前日のADPも下だったしさ。頼むよ頼むよー。

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※チャートは日足で、賭けたところが119円ゾーンだ!

なんでやねん。思わず関西弁になっちゃったじゃないか。泣きっ面に蜂とはまさにこのことである。トーナメントは全敗。リングも負け、香港では無意味な時間。そして為替ギャンブルでもこのざまである。久しぶりにきたんじゃないか、大殺界。このまま放置しておくと洒落じゃならないくらいの負けになるので、とりあえず損切りで負けを確定させる(すでに致命傷だけど)。3円て。

近所のコンビニでビール(青島)を買ってきて一人やけ酒。狭い部屋で寂しくブログを書きながら、ちびちび青島を飲み、酔っぱらうことなく、静かに寝たのであった。

そして、夕方5時に飛行機に乗るまで、スタバで文章を書き、狭いピーチの中でも文章を書き、無事に帰国。

さて、明日から日常だ。