今日はメインイベントのDay2の日だ。
今日こそポーカーをするぞ!とバイタクに乗り、12時半くらいに颯爽と現る。
Day2も人数が増えすぎたせいか、13時組と18時組の二手に分かれている。(圧倒的テーブル数不足ッッ!!)Day1終了時にくじ引き的なことをやり、二手に分かれ、僕は無事に13時組になったのである(18時組だと、次の日がしんどいからねぇ)
一昨日は白人が半分くらい席を占めていて、ベトナム人の方が少なかったのだが、今日は現地っぽいベトナム感があふれ出ている人が大半だった(たぶんベトナム人)。白人は一人か二人。
ちなみにどうでもよいのだが、どの白人よりも僕の方が色が白い。
※さらにどうでもよいことなのだが、生春巻きだと思って頼んだら、白ご飯が巻いてあった。炭水化物+炭水化物。関西人の引きを見せる。
Day2なのだが、実は今日から入ることも実は可能。参加費が安い(と言っても8万円強)ので、6回もリエントリーをしている人もいるそうだ。だから、今日も今日とて人がたくさんいる。15時からのサイドイベントは席数を決めて一応行うらしい。
さて、肝心のポーカーだが、昨日よりもテーブルが緩い。やっぱり白人の方がポーカー経験値が高いのか、上手な気がする。JJで40BBでプリフロオールインをしていたり、トップペアが降りられないベトナムの方々が次々と飛んでいく。あと、チェックレイズで煽ると、かなりの確率で全額突っ込んでいく人が多い気がする。
今日は昨日のように手は入らないが、きっちり相手を下ろすこともでき、約9万点を行ったり来たり、安定したポーカーが出来ている。まだ成長過程中のベトナムの方が僕の強いハンドに飛び込んでくることはなかったことが少し悲しい。
特筆するような勝負がないまま、(ダブルアップもせず、バッドビートもなく)、最後のレベルには、じんわり5、6万点まで減ってしまった。
「ラスト3ハンド!」
TDのアナウンスが入る。本来は18時に終わるはずだったのだが、100人程度にならなかったため(テーブルが22卓だから、明日はDay2の人たちを200人前後にしなければいけないのだ)、1時間延長して19時。
残り3ハンドか・・・ふと、脳裏に昨日のAAが思い浮かぶ。あんないいことないんやろうかなぁ、なんて思っていたら、なんとまあKKが僕の所に来てくれた。
そして、昨日と同じ感じで、3万点弱の人がオールインを仕掛けてくる。デジャヴかな。相手のハンドは下のポケットで何事もなく僕に吸収される。
昨日も同じテーブルを囲んでいた人がいて「昨日もラストハンドでAAが来て、ダブルアップしていたんだよ!」と周りに謎のアピールをしてくれる。僕はデヘヘとだらしのない笑顔でチップをかき集めた。
結局、昨日と大きく変わることなく、10万点くらいでday2が終わった。
今日はどういうわけか、かなり仕事のメールが入ってきていた。
メインイベント中にも返信をしていたのだが、画像編集やコーディングなどの作業系をやらなくちゃいけないので、day2の18時組の方々に挨拶を交わし、そそくさとホテルに戻って仕事をするため、近所の店でさくっと晩御飯を済ませることにした。
こっちに来てから毎日フォーばかり食べていたので、そろそろガッツリ肉を食べたいと考えていた。近所に美味しそうなオーラを放つバーガー屋がある。滞在期間中に足を運ぼうと目をつけていたその店に行ってみることにした。
元々、ホーチミンは南北に分かれていた時はアメリカ側だった。フランス領時代の名残のフランス料理よりも、サイゴン時代のアメリカもきっとどこかに影響が残っているではないか。そんな文化的な意味合いも含めて、ハンバーガーを食べたくなったのだ。けして、僕がデブだからというわけではない。
外に立っていた流暢な英語を喋る店員に連れられ、人が一人通れるくらいの細い路地を通り、映画のセットに出てきそうな吹き抜けの壁に沿って上がっていく階段を上り、いかにも「隠れ家!」という感じのバーガー店に入った。
中に入ると、日本人らしき人がいる。ベンタイン市場の近くで観光地だから、まあ日本人くらいいるだろうと思って、近くの席に座ると、どうも見たことがあるような気がする。
というか、610さんだ。
610さんは、世界中でインマネをして、hendonmobというポーカーランキングサイトで、「参加国インマネランキング」(何か国でインマネをしたことがあるのかというランキング)日本人で1番、世界で100番以内に入っている、ワールドトラベラーポーカープレーヤーの方である。
ポーカー関連のニュースを見ていると、様々な国で入賞されていて、どこにでもいるなぁという印象だ。まさか、ふらりと入ったハンバーガー屋さんにもいるとは。610さんもたまたま入ったらしい。すごい偶然だ。
実は僕も世界中のいろんな国に行って、ランキングサイトで国旗を集めたい夢がある。購入できない高級時計雑誌を眺めるかのように、たまに海外のポーカー大会スケジュールを眺めていることがある。ある意味、610さんは僕の夢のベンチマークだ。
僕の行きたいなって思っている国はやはり、610さんもチェックしていて、特殊な入国方法などについてもかなり詳しく知っておられた。
そして頼んだハンバーガーが凄く美味しかった。
なんだかDay2のメインイベントよりも偶然に610さんと出会ったことの印象が強くて、日記の内容の「日常系:ポーカー」の比率がおかしくなっている・・・。本当はDay2もなんかポーカーでのドヤプレイがあった気もするのだが、思い出せんぜよ。
610さんとこの後一緒にどこかに行ければ良かったのだが「作業があるので申し訳ない」と謝ると、「この間仲良くなったベトナム人のおっちゃんの所に行こうと思っているから気にしないでいいよ!」とにこやかに繁華街へと消えていかれた。既に現地フレンズを作っている、恐るべしコミュニケーション能力の高さだ・・・。大阪でも人気者なのが納得だ。
さて、肝心のDay3である。
最終的に参加人数は、APT過去最高の664人。残りは187人。インマネは111位から。アベレージは176,631点。僕のチップは、102,500点。2000/4000。APTのインマネラインは6人に1人らしく、けっこう下に広い。ググっと賞金が挙がるのは、やはりファイナルテーブルになってから。それまではどちらかというと、顧客満足度を高めるための賞金分配って感じだ。
チップ量は心もとないが、1時間回しのストラクチャーがこういう少なくなった時に、とてもありがたい。
テーブルは昨日よりも緩くはないが、恐れなければいけないほど強い人もいない。案外、普通のテーブル。僕のチップ量の2倍以上持っているウェスティンさんが右隣りだ。ある意味一番、気を付けなければいけないのが、ウェスティンさんだろう。
25bbはふざけてブラフして打ち返されると、もう後戻りできないチップ量になってしまう。とりあえずここは、しっかりと安全に手が入いるまで待とう。
1時間後、20bbを切ったあたりでQQを手にする。2500/5000。
アーリーから一人12000点でレイズイン。僕はボタン1個手前くらいのレイトポジション。さて、どうするか。
1)セオリー通り、3ベット入れて降ろす。
2)3ベット後、コールされて、ヘッズになったらAがなければオールイン。
3)3ベット後、4ベットが入ってオールイン。
4)後ろの参加者増えるリスク込みで、コールで止め、相手の動きに合わせて対応。
5)コールで止め、ボタンやBBが3ベットスチールしてくるのを待つ(オールインで対応)。
6)何も考えず、思うがままにオールイン。
1秒以内に6つの選択肢を絞り込む。相手もかなり慎重なプレーヤーで参加率も低い。下手なプレーヤーではない。チップ量は僕の2倍程度。
過去の日記を見返している時に気が付いたのだが、大体QQかJJで飛んでいることが多い。わりと、QQは事故ハンドだ。い、いったん見よう!ということで、4の「コールで様子見」を選択。
ありがたいことにオリジナルと僕のヘッズアップになった。
フロップ。
ううん。いやなカードが一枚出てしまった。すると、相手はチェックしてきた。おや、Kがないのか。向こうも下のポケットだったか、A一枚でレイズしたのか。これは、打ったら降りられるかもしれないな。ここは良いハンドが来ているので、相手からチップを引き出したい!欲にまみれて、僕もチェック。
ターン
ここで相手が15000ほどベット。お、Jが当たったかな。AJかTJか。TQもあるか・・・。僕はコール。
リバー
相手は25000のベット。いいベットだ。ちょっと分からなくなったぞ。でもせっかくのQQやしなぁ・・・。うう、コール!
相手はKQだった。あいたたたたたたた。やられてしまった・・・。
このプレイで僕のチップは10bb程度まで減ってしまった。やっぱり、QQでやってしまった。何も考えずにオールインが正解だったのかもしれない。
その後、Aが来たらとりあえずオールインやー。そんな風に思っていてもポケットもAもやってこない。
一度、自分がbbの時にミドルポジションの人がミニマムレイズで入ってきたので、Kハイのカードでコールしたのだが、チェック回しで最後まで見て、チョップだった(僕のほうがキッカー強かっただけに悲しい)
8bbくらいになったとき、ATが来た。コールされたら微妙にまずい感じなので、とりあえずスチールでもよい。「オールイン」やれやれやっと全部入れれるハンドが来ましたよ、と言わんばかり前のめりな姿勢でチップをテーブルに押し出した。
そして、20bb程度の人にコールされる。よほど強いハンドなのかな、と気落ちしたのだが、出てきたのは5のポケット。僕が勝ったら今度は兄さんがショートになるでぇ。
フロップ 776
当たらなかった!でも悪くない。6でもいい。
ターン 4
くぅ。
リバー 3
何故か相手にストレートができてしまった。
そんなこんなでDay3は一度も勝つことなく、2時間3ハンドでフィニッシュ。
順位は664人中149位。
111位から賞金が出るので、もう少し頑張れば賞金に手が届く感じだったのが悔しい。ただ、惜しいともいえない微妙な順位なので、涙を流して暴れるほど悔しい感じでもなかった。
次のモンスタースタックは、夕方の5時からだ。
しかし、不穏なアナウンスが会場にこだまする。
「次のモンスタースタックは、4時からのハイローラーのテーブルの埋まり具合で開催が決まります。なくなる場合もあります。ご注意ください!」
元々ハイローラーの日程は明日のはずなのだが、予想外に人数の多さに今日day1Aのハイローラーを開催することにしたらしいのだ。
ちなみに明日のサイドイベントはテーブルの関係上、夕方5時からのturboのみとなっている。僕の帰国は深夜12時20分なので、このturboに出場するのは難しい。すなわち、今日のモンスタースタックに出場し、day2まで残らなければ、ポーカーが先ほどのメインで終わりということだ。
しかし、5時まで暇だ。
ハイローラーに出場するためやってきていた土川さんを捕まえる。土川さんはAPTの関係者でもある。モンスタースタックの開催の有無をfacebook上で告知するかどうか聞くと、「なくなりそうなら、お知らせ流すよ!」とキリっとした顔で教えてくれた。
ならばホテルまでバイクで10分程度なので、一旦、帰って休むか・・・。Grabでバイクを呼び、ホテルに戻った。
のんびりマウンテンデューを飲みながらブログの記事を書く。しかし、仕事のメールがペコンと音を立ててやってきたので、そっちのほうに取り掛かる。
いい感じに集中して、さくさく進むものだから、5時を過ぎたことをすっかり気が付かなかった。いや、気が付いてはいたんだけど、切りがいいところまで・・・と思っていたら、時刻は5時40分くらいになってしまった。ああ、遅刻だ。
FacebookのAPTのグループを見ても開催がなくなったと書いていない。ウェスティンさんから、始まっているよとメッセが来る。少し遅れて土川さんからもウェイティングになり始めていると連絡があった。少し並ぶかもしれないが、急いで行こう!
通勤ラッシュ的なものに巻き込まれながら、なんとかたどり着くと6時半。
ウェイティングが多いといっても、メインのday3で人がいなくなれば、どんどんテーブルは空いていくはずである。なんとかなるだろう。
レジストレーションの受付のお姉さんに「モンスタースタックの参加でー」と言いながら、パスポートを渡そうとすると、残念そうに首を横に振る。
「ごめんね。受付はもうやっていないの」
「え・・・ど、どういうこと?」
「あまりにもウェイティングの人数が多いから、受付そのものを一旦とめているの」
目の前が真っ暗になる。僕のベトナム遠征はまさかの遅刻で幕を閉じるのだろうか・・・。明日と今日、何しよう・・・。
がっくりと項垂れて、日本人参加者がよく溜まっている待合のソファに、とぼとぼと歩いて戻る。そこにはプロポーカープレーヤーの一ノ瀬さんが座っていた。
「お久しぶりです。」挨拶をすると、数年ぶりに会うというのに一ノ瀬さんは僕のことを覚えていてくれた。「覚えているも何もブログ、読んでますよ~。」とまさかの読者発言。何か変なこと書いてなかったかな、と一瞬不安になるが、基本は本人に許可を取ってからしか書いていないので、おそらく大丈夫だろう。唯一許可をとっていないのは、僕の破天荒な師匠のOさんくらいなものだ。
一ノ瀬さんが手元に持っているスマホの画面がチラリと見える。仮想通貨のチャートだ。
「ポーカープレーヤーはみんな何かしら仮想通貨やってますねぇ」と世間話を振ると「今、NEMが大変なことになっていますよね。もりゃ~まさん、大丈夫でしたか?」と聞かれる。
急いでスマホで調べる。どうやら取引所がクラッキングにあって、NEMが盗まれたそうだ。
ちなみに僕も仮想通貨を少し触っている。そして、一つだけ持っている通貨がある。
NEMだ・・・。
つづく。