MPC24

COD
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天気予報では雨が降るなんて言っていなかったのに京都はあいにくの雨である。

折り畳み程度では旅行バッグを傘下に収めることができず、ずぶ濡れになって京都駅八条口のバス乗り場へ到着すると、すでに今回の旅の仲間であるY氏が待っていた。

「3000万円とったらどうするよ」とウキウキわくわく気分で僕がY氏に喋りかけると「いやー3000万円もあったら僕なんて人生変わってしまいますよー」「DaYoNeー」と20代前半の若きポーカープレーヤーのY氏も気分が高揚しているのが分かる。

今回、僕たちはマカオのポーカー大会、MPC24(マカオポーカーカップ)に出場する。メインのイベントのトロフィーが赤い龍の形をしており、ポーカーファンからこの大会は「レッドドラゴン」と呼ばれている。MPCよりもこっちの名称の方が有名だ。参加人数も多い上に、参加費が12000HK(約18万円)と高くもなく安くもないちょうどいい塩梅で、かなり人気のある大会だ。優勝賞金は3000万円を超え、2位でも1千万以上はある。四日間、毎日10時間ほど延々と頭脳戦を続けることができる。

無事に関空に到着し、チケットカウンターに並んでいると見知った関西のポーカープレーヤーの顔がちらほらいる。関空からマカオまでの直行便は一日一本しかないので、大体ここで顔を合わせることが多いのだ。人のことはまったく言えないが、みんなちゃんと仕事しているのだろうか心配になる。

マカオに到着すると僕たちは急いでレッドドラゴンの会場であるシティオブドリームに向かう。今日は夜の9時から始まる5000HKのサイドイベントに出場する予定なのだ。前回、僕はこの5000HKで280人が参加する中で6位、Y氏は3位だったので、なんとなく思い入れがあるようなないような。

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※シティ・オブ・ドリームスの装飾品。刻々と色が変わる。赤のタイミングで撮りたかったが、もたもたしているうちに緑になった。

飛行機の到着が30分程度遅れたせいで、会場に着いたのは9時40分頃。レイトレジストで入ろうとすると、すでに満員だから待たなければならないといわれる。何人くらい待っているのか聞くと、13テーブル目だといわれる。一卓に座るのは10人から、120人も待っているのか!去年はさくっと待たずに入れたのに!人大杉。

7500チップスタートだから、さすがに200/400から入るようになるならば、もうキャンセルでもいい気がしてくる。参加費5000HKですよ。日本円で7万3千円ですよ。

近くのソファで「どうしようどうしよう」とまごまごしていると、すでにマカオ入りしている日本人の方々が「お、今日からっすかー」と声をかけてくれる。返事の代わりに「さっきついてレジストしたら13テーブル待ちっすよ!」と目を三角にしてこれ見よがしに紙を見せると、皆そろって気の毒にという顔をした後「いやあ、私もついていなくてね」とバッドビート話を始めるのであった。

ポーカーをやっている人間は、たとえ親友であったとしてもだ、バッドビートトークを聞くことにウンザリしているはずなのだが、どうしても目についた知り合いにいかに自分が不幸な負け方をしたのかを喋ってしまう呪いがかけられている。相手がたいして聞いていないのを重々承知で一方的に喋ってしまうのだ。聞いている方も散々知り合いに同じことをしているので、この時ばかりは寛容な気持ちでうんうんと「そいつはツいてなかったね」と相槌を打つのがポーカー的礼儀なのである。僕に関して言うと、ネットを通して愚痴を垂れ流している始末だ。この呪いから解脱できた人間を僕は見たことがない。きっとガンジーでも「社長さんにリバーでまくられたわ!」とぼやいてしまうほど、この呪いは根が深くて強い。

数人の知人友人に出会い、いくつもの不幸物語(Bad Beat)に類まれな傾聴力を発揮してから2時間後、ようやくテーブルに着くことが出来た。100/200 アンティ25 30分回しのストラクチャー。まだギリギリ戦えるレベルだ。しかし、悲しいことにY氏の隣である。これだけ待って、5000HK払ってぶつかりでもしたら、何しに海外まで来たのであろうか。でもせっかく来たので、一つでも多くトーナメントに出たいのが人情ってもんだ。100/200なら、君だって出てしまうだろう?

案の定、というかまるで運命が決められていたかのように、30ハンドもしないうちにY氏と僕がぶつかり、早くも退場させられた!ついていないことに、僕のチップを預けたはずのY氏も僕がいなくなってから数ハンド後にKKで突っ込み、相手に99のセットを引かれて退場。

まさかの日付が変わる前に二人ともさくっと負けてしまった。

仕方ないので、ホテルにチェックインした後、近所の中華屋で遅めの晩ごはんをとる。

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※右上のもちもちしたやつ、餃子だと思ったら肴のすり身で味がしなかった。

「5000HK、一瞬で溶けちゃったねぇ・・・」と青島ビールを呑みながら呟く僕。

「日本やったら、2時間後だったら僕は絶対出場しなかったッスねぇ・・・でもせっかく来たんやし・・・」と普段は呑まないビールをクイっと流し込むY氏。

二人共、昼から何も食べていない割には食が進まなく、おかしいなこんなはずじゃなかったのになぁ、とモヤっとした気持ちでホテルに帰った。

「明日・・・メインイベントやもんな・・・体調整えなあかんしな。負けて良かったんや!(認知的不協和ッッ)」ベッドに潜りこみ、深い溜息をついたのであった。

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