APTテグ(2) 「ポッドリミットオマハ」

大邱で昼ご飯

アジアポーカーツアー(APT)は賞金はマカオで行われるAPPTほど高くはないが、ポーカーファンからは根強い人気がある。

人気の理由は「参加のしやすさ」、「スケジュールの組み方」と「ストラクチャーの良さ」だ。

まず参加費が安い。日本円にして1万円からのトナメから、高くても35万円ほどだ(ハイローラーは別だけど)。マカオの大会だと、軽いサイドイベントでもすぐに8万円以上するものが多く、全部出ていると簡単に100万円以上は参加費だけにかかってしまう。故にAPTは気が楽だ(まあそれでも全て滑ったら50万円くらいは飛ぶが)。

次にスケジュールの組み方が上手い。1時に大きなイベントをやった後、7時には安いイベントを必ず置いている。3時くらいにはオマハやチャイポなど人を選ぶトナメを用意して、いろんなプレーヤーに対応しようとしている努力が見える。短い滞在期間、例えば3泊4日でも上手くいけば5つくらいのトーナメントに参加することもできる。「わざわざ海外までトーナメントをやりに来ているので、一つでも多く参加したい!」そんなユーザーのニーズをちゃんと考えている。こればかりはベタ褒めしていいと思っている。

ストラクチャーも非常に良い。メインイベントの1時間回しの上にブラインドの上がり方も非常にゆっくりだ。

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※もっと詳しいストラクチャーを見たい場合は、こちらの公式PDFを御覧ください→(◇PDF

海外ポーカーデビューする人の多くがマカオのレッドドラゴンあたりが多いんじゃないかと個人的に思っているんだが、デビューするのであればAPT関連のイベントの方が正直良いと思う。

マカオだとどうしてもバイインが高いので、記念受験的な感じになってしまうし、キャッシュだって初心者にはなかなかキツいレートだ(25HK-50HK)。それに比べて、フィリピンや韓国であれば、100円200円と大きく負けなければ焼けることのないレートである。ただ、マニラだとタクシーや街に正直戸惑うところがあると思うので、セブ島のAPTあたりがいいかなあ。

(本当はラスベガスデビューがベストだけど、遠いよね・・・)

そんな感じですっかり僕もすっかりAPTのファンである。なんか、回し者かよってくらい褒めてるけど、本当に良い大会なのである。まだ海外ポーカー未経験の方はいろいろAPTの情報を集めてみることをお勧めする。

さてさて。

本日はメインイベントが始まる初日だ。

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※昼ごはんもしっかりとった。韓国料理は辛いけど美味しい。

昨日来た時点では、参加人数が少なくほとんどが日本人だった。と、いうのも韓国人はカジノに入れなく、中国人はマカオで行われているACOPプラチナムに参加、フィリピン人は基本的にフィリピンの大会ばかり出る、そんな理由からかAPT常連VS日本人勢という構図になっているのだ。一見さんっぽいのはとても少なかった。

今日から参加する日本人の1人、滋賀県南草津にあるポーカーバー「ガネーシャ」のオーナー奥林君(自称OKB48)もホテルに来ていて挨拶を交わす。他にも同じ京都メンツや大阪の知り合いが続々とやってきて、だんだんと日本人が増えてきて海外っぽさがなくなってくる。

僕は、メインイベントには出場せずにポッドリミットのオマハトーナメントに出る予定だ。

特に普段からオマハをやっているわけでもなく、むしろこういうトーナメント時しかやらない超フィッシュプレーヤーなのだが、予算感があえばついつい出場してしまう。

そもそもテキサスホールデムでさえ、たいして強くないのにいっぱいトーナメントに出ているのだ。今更、自分の腕に自信がないからって理由で出ることを拒むこともなかろう。どこに行っても上には上がいるので、アマチュアらしく一発の引きを狙って行くだけである。

オマハの序盤、オープンエンドフラッシュドローやストフラドローを追いかけすぎて(そして引けない)、気がついたらショートになり、あっという間に飛ぶ。まだレベル4でリエントリー可能な時間である。(APTはフリーズアウトのイベント以外は規定のレベルまでは無限リエントリーできる)。

あまりにも悔しかったので「おかわり!」と鼻息荒くしながらテーブルに戻る。23人ほどエントリーしていて、生き残っているのは18人程度。先ほどとは違うテーブルに座って、じりじりとハンドを待つ。

「KK10Q」のハンドが入り、ポッドベット。2人が付いてきてフロップがオープン。f:id:moryama:20160401003018p:plain

セットを引けた。本来ならばポッドベットをするべきなのだが、中途半端にポッドの四分の三ほど打つ。またまた2人に付いてこられた。

ターンは「5」。

ここで僕がまさかのポッドレイズ。ストレート引かれているかもしれないけど、気持ちが焦ってやっちまう。すると、左の初心者っぽいおっさんがオールインリレイズ。右の運の悪そうなおっさんもオールイン。ストレートが2人いるとしか思えないし、現状勝ってる可能性はほぼない。でも、コミットしてしまったので「俺はリバーで引くぜ!」高々と男気オールインコール。オマハは引いてなんぼじゃい!

全員のカードがめくられる。

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左の初心者おじさんのストレート完成と運悪おっさんのフラッシュドローがいた!右の運の悪そうなおっさんも完全に男気コールじゃねえか。いやーしかし負ける要素が増えたヤヴァイぞ。

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3が落ちてフルハウスが出来て、勝った!トリプルアップ!真面目に生きているとたまにはいいことがあるもんだ。

オマハは普段遊ばないので、感覚値でも勝っているかどうか分からない。今ブログを書くためにオッズ見て、初めて自分の勝率が少し高かったと知った。やっぱりセットは強いんだなぁ。セット引けたら今度からもっとアグレに行こう。

そこから何事もなく、ファイナルテーブルへ。

日本人は、いつも海外でお世話になる海外常連のFujiyaさん、プロの土川さん、関西のIさん。他には生涯獲得賞金が2億円近いプロのサムと先日オマハを優勝したオーストラリア人、そして物静かなアジア人と白人の8人。

まず最初に僕と土川さんがぶつかる。

「AKK3」と嬉しいハンドが来てプリフロの土川さんのポッドレイズにリポッド。土川さんコール。

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ぜ、全部あたった。これは勝っていると思うし(AAで持っていたらリポッド飛んでくるはず)、下手にストレートなど引かれても敵わんと思いポッド。すると、土川さん「これはなあ、いかなあかんやつなんよ」とコール。オマハはここからが心臓に悪い。2枚あれば余裕で逆転されるのだ。

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土川さんのハンドは「10JQ3」のストレートドロー。上の三つのどれが当たっても良い。コワイ!

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心臓がドクドクなるのが分かるくらいに心拍数が上がっている。

そしてリバー!

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すり抜けた!最後のカード見て、2秒位負けたかもしれないと目が死んでしまったが、ちゃんと見たら勝ってる!ファイナルテーブルでダブルアップ。これでチップリだ。

これで土川さんはショートになってしまい、誰かに飛ばされて8位で終わる。

その後、じっと耐え続けなにもしないまま残り5人。ここで怒涛のAAラッシュが入る。20回くらい見る。それを元に何度もスチールを仕掛ける。ただ、誰もバブルで飛びたくないので、ただただスチール合戦を繰り返し、気がつけば2時間が経過していた。

2BBのショートが20BBまで息を吹き返し、僕もサム相手にダブルアップ、Fujiyaさんもセット引いてトリプルアップするなど勝負はいつまでも決着がつかなかったのだが、最終的にも僕とFujiyaさんがぶつかり、セットを僕が引いて勝った。Fujiyaさんがバブルで飛び、賞金はとりあえずは獲得できることになった。

2012年から4年連続APTのPlayer of the Yearを獲得しているサムがやはり強くて、オマハでも相手が弱いと思えばブラフを仕掛けてくる。いい人なのか戦略なのか「ブラフだよー」とカードを見せてくれるので情報が集まるのは良いのだが、まったく歯がたたない。過去にインマネ160回以上、7年で生涯獲得賞金2億円近いプロ相手に上手くやろうなんて考えてもだめだ。変なブラフなどせずとりあえずハンドが絡んだら勝負にいくように徹底する。

横並びになった際にサムと大勝負をして僕がサムを飛ばす。たしか、JJだけでサムのオープンエンドフラッシュドロー2オーバーをすり抜けた(全然ハンド絡んでいないね!)。

残り3人。

チップリになったので、ガンガンスチールで仕掛けてチップをかき集める。ハンドもいい感じに絡んでリバーまでいかずに下ろせてる。

チップ量を「8:1:1」まで持って行き、ショート2人が「おい、お前が先に仕掛けろよぉ」ともう笑いながらプレイするほどに差がついた。もしかしたら優勝出来るんじゃないかとテンションが徐々に上がりだす。

勝負の時だ。まずは静かなアジア人のオールインを「AAQ7」で受ける。相手の「56810」を見てニヤリと笑うものの、2ペアを作られて負ける。次に前回オマハチャンピョンのオーストラリア人のオールインを「AJ48」で受ける。相手の「QQ69」にAを当てることなく負ける。ちまちまスチール合戦があり、チップ量が「6:2.5:1.5」になる。

ここで初めて「AAA3」というカードが来る。こんなにAいらない!でも相手にはAがほとんどない状態だから、スチールくらいは出来るだろうとポッドスチールを仕掛ける。するとオマハチャンピョンがリポッドオールインしてきた。

考えろ考えろ。オマハならばハンドが入ればなんとかまくれると思って、僕たちは2BBになるまで耐えるプレイをずっとやっている。今だって既にゲームを初めて10時間以上は経過しているのだ。ここにいる三人ともサムのようなブラフはしない。とすればドロー系で引いて強いというよりも、確実に気持ちで安心できる強めのポケットハンドで入っているはずだ。

ならば「AKK」のようなAにまくられても大丈夫な上のポケットだ。僕がAを三枚持っているから「AAKK」のようなハンドはない。強いとすれば「AKK10」あたりだろうか。それならば、僕がAを抑えているから通常のテキサスホールデム並の確率で勝てるはず「AA」VS「KK」的な感じでさ。本来ならば、自分のアウツを自分で消している悪いハンドだけど、この状況ではありかもしれない!

「オールインコールだ!」。

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ビンゴ!!「AQQ2」。若干、フラッシュも怖いがオマハのプリフロールイン勝負としては、いい感じだ(たぶん)!

フロップ!

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エンダアアアアアアァァァァァ・・・いやあぁぁぁ・・。Q来ちゃったーーー!!なんなの!?!?

後ろで「これ、デッドじゃね」「自分でA使っちゃってるもんね」と英語で喋る声が聴こえる。まさしくその通りで、やはり自分で3枚使いは可能性を狭める悪手だったのだ。

これで、「3.5:5:1.5」と逆転された。

しかし、ここで静かなアジア人をフロップセットフラッシュドローというほぼ勝ちのハンドで、ただのトップヒットに勝ち、彼を飛ばして「5:5」のヘッズアップまで帰ってくる。ようやく勝ててホッとする。

ここからが真の勝負だ。ヘッズアップ!

「AQ23」のハンドが入り僕がポッド、相手がコール。

ボードは「A23」。また全部あたった!

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どれか一つかぶればフルハウスだ。僕のポッドレイズにコールだから「AA」の可能性は薄い。また2も3も持ってるから、そのセットもないとは言い切れないが最悪Aが落ちればまくることができる。

「ポッドだ」と福本伸行漫画のキャラクターのようにチップをぐいっと前に出すと「リポッド」と全てのチップが前に出される(ざわざわ・・・)。あ、これはストレートできてる奴やん・・・と青ざめる。これはチェックで回すべきハンドだったのだ。ずっと慎重に打っていたのに、三つも当たって舞い上がってしまった。これはベストハンドではない!

しかし、チップは半分以上をつぎ込んでしまって明らかにコミットしている。ここで降りて「8:2」で戦うか、それとも「A23」を引きに行くべきか・・・。長考。

そして・・・。

「コールだッッッ!!!!」とチップを一枚、テーブルの真ん中に投げ入れる。

食事から帰ってきた日本人や暇そうにぶらついていたギャラリーたちがざわざわとテーブルにやってくる。(ざわざわ・・・ざわざわ・・・)

相手のハンドは「4567」のやはりストレート。どんどん上に伸びていくやつだ。f:id:moryama:20160401010734p:plain

「エース!ニとサン!」「引けッッ!もりゃーまッ!」「ヨイショ!」海外常連の仲間たちの声援をバックにして、相手とカードを睨みつける。本日のワイの引きの強さ、見せつけてやるンゴ!!!

ターンッ!

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「ク、クイーン!?」「か、かぶった!!」「そこ!?」「アウツ増えた!」(ざわざわ・・・)

「ククク・・・アイ、ガット、フォーペアー」と指を四本立てて、とりあえず相手に意味のないプレッシャーを与える。もう僕にすることは何もない。

リバーッッ!!

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「4(よん、または死)・・・」。なんというか、パチンコでアタリの数字の隣が出るみたいなカードが出た。あと一つ数字を落としてくれれば勝てたのに(ToT)。

これでチップのほとんどが相手に渡り、9.5:0.5くらいのチップ差になり、その後何事もなく、飛ばされて終わった。

気がつけば夜中の3時だ。昼の2時からスタートしたから、かれこれ13時間ほど勝負していたようだ。

また目の前で優勝をするりと逃してしまったのであった。

~つづく~

 

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